安曇野市議会 > 2021-12-03 >
12月03日-02号

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  1. 安曇野市議会 2021-12-03
    12月03日-02号


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    最終取得日: 2023-05-06
    令和 3年 12月 定例会          令和3年安曇野市議会12月定例会議事日程(第2号)                  令和3年12月3日(金曜日)午前10時開議第1 市政一般に対する代表質問   会派 あづみ野      代表 宮下明博議員   政和クラブ        代表 松枝 功議員   無会派          代表 増田望三郎議員   日本共産党安曇野市議団  代表 猪狩久美子議員---------------------------------------出席議員(22名)   1番  矢澤毅彦       2番  中村芳朗   3番  大竹啓正       4番  増井裕壽   5番  岡村典明       6番  辻谷洋一   7番  橋本裕二       8番  臼井泰彦   9番  小林陽子      10番  松枝 功  11番  竹内秀太郎     12番  中村今朝子  13番  林 孝彦      14番  井出勝正  15番  増田望三郎     16番  猪狩久美子  17番  召田義人      18番  内川集雄  19番  宮下明博      20番  小林純子  21番  一志信一郎     22番  平林 明欠席議員(なし)---------------------------------------地方自治法第121条の規定により説明のため出席した者の職氏名  市長     太田 寛     副市長    中山栄樹  教育長    橋渡勝也     総務部長   久保田剛生  政策部長   高嶋雅俊     財政部長   宮澤 修  市民生活         山田真一     福祉部長   矢口 泰  部長  保健医療         鳥羽 登     農林部長   赤澤哲也  部長  商工観光            都市建設         久田裕治            坪田浩昭  部長              部長  上下水道         堀内寅生     教育部長   平林洋一  部長  選挙管理  委員会    竹内 勲     総務課長   丸山一弘  委員長  政策経営         丸山修一  課長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長   細田昌伸     次長     青木規素  議事係長   山田なつ子    議事係    本永悠樹--------------------------------------- △開議の宣告 ○議長(平林明) 令和3年12月3日金曜日、これより令和3年安曇野市議会12月定例会を開催いたします。 会議に先立ち、申し上げます。 本日から8日水曜日までの代表質問一般質問に限り、感染症対策の一つとして、議場内での水分摂取を許可します。 ただいまの出席議員数は22名で定足数に達しております。 よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元の議事日程第2号により進めてまいります。 また、本日の代表質問に伴う議員からの配付資料は、お手元と傍聴受付に配付してありますので、御報告します。                             (午前10時00分)---------------------------------------市政一般に対する代表質問 ○議長(平林明) 日程第1、市政一般に対する代表質問を行います。 本日の発言通告者は、会派 あづみ野代表、宮下 明博議員、会派、政和クラブ代表松枝功議員、会派、無会派代表、増田望三郎議員、会派、日本共産党安曇野市議団代表猪狩久美子議員の、以上4会派でございます。 先例の申合せにより、順次発言を許します。---------------------------------------宮下明博 ○議長(平林明) まず最初に、会派 あづみ野。持ち時間は40分以内といたします。 代表、宮下明博議員。     (19番 宮下明博 登壇) ◆19番(宮下明博) 皆さん、おはようございます。 会派 あづみ野を代表いたしまして代表質問を行います。 質問の前に、一言申し上げます。 10月17日執行の市長選挙におきまして、太田市長は、圧倒的多数の市民の負託を得て当選をされました。改めてお祝いを申し上げます。誠におめでとうございます。 大勢の負託を得たということは、市民の期待が大変大きいわけであります。期待が大きいだけに、あれもこれもとお思いかもしれませんが、一気にはできませんので、ここはどっしり構えていただきまして、焦らずに長い目で見て、政策を一つ一つクリアしていただき、所期の目標が達成されるように御尽力をいただきたいと思います。 我々、会派 あづみ野も、市長と同様、安曇野市をよくしたいという気持ちでいっぱいでございます。きちんと議論を重ね、力を合わせて、安曇野市のますますの発展と市民の福祉向上のため、全力で取り組みたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。 それでは、代表質問に入ります。 通告に従いまして、一問一答でお願いをいたします。 1つ目の市長の政治姿勢でございます。 市長は、選挙戦を通じ、「守る」、「創る」、「興す」の3本柱に沿って、「住みたい安曇野、住んでよかった!ゆたかな安曇野」を目指して、42項目の政策を訴えておられました。 市長就任後の第2回臨時会の挨拶でも、概要をお話しいただきました。また、初の記者会見では、全職員の提言や意見を募って市政に反映をさせるということでした。 12月定例会初日の所信表明でも、公約に挙げた政策の取組の状況をお話しいただきました。前市長から引き継ぐ政策、国の政策に基づく政策、太田市長独自の政策、多数ありますが、それを実行していくことは大変なことだと思います。 そこで、施策を実現するために、1つ目の質問ですが、組織の見直しを考えているのか、まずお聞きをいたします。市長、よろしくお願いをいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) ただいま宮下議員からは、冒頭、市政推進に当たりまして、協力を惜しまないという大変力強いお言葉をいただきまして、まずもって感謝を申し上げたいと存じます。 「住みたい安曇野、住んでよかった!ゆたかな安曇野」を目指すため、「守る」、「創る」、「興す」の3本柱を着実に進めるための組織体制が必要であると考えているところでございます。 就任直後に行いました各部局からの聞き取りでは、1つの案件について幾つかの部にまたがっていること、また、移住・定住促進、空き家対策スポーツ推進など、強化すべき事業の受け皿となる部署が独立していない問題もございまして、手始めとして、その見直しを指示したところであります。 検討を重ねた上、新年度に合わせての組織改正を考えているところでございます。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 今、新年度に組織編成を考えているということですね。はい、分かりました。 それにつきましては、市長が政策を実行できるような組織にしていただければいいと思いますので、ぜひ仕事のしやすい組織にしていただきたいと思います。市長の手腕に期待をするところでございます。 2つ目の実現の見通しですが、私も冒頭に申し上げましたように、一気というのは無理ですので、焦らずに長い目で見て、安曇野市にとって最良の形で、一つ一つ政策を実現していただければいいと思っております。 その見通しをお聞きいたします。 全体の見通しをお聞きするわけですが、特に気になる公約の7点については、特に詳しくお願いをしたいと思います。 まず、医療費無料化の対象者を18歳までに拡大については、私も今まで一般質問で訴えてまいりました。現在、あづみ病院圏内の大北地方では、既に18歳までの子供が、窓口負担が月に300円から500円で、医療費が無料になっております。安曇野市も、18歳までの拡大をぜひお願いいたします。 来年4月から実施したいという方針ということでありますので、来年4月の実施に向けて、会派 あづみ野も協力をしたいと思いますので、ぜひ実現をお願いしたいと思います。 2つ目は、サテライトスタジオについて、3つ目は、安曇野を舞台としたドラマ、映画の誘致について、4つ目は、穂高神社御遷宮について、これは、予算、交付金も含めてお願いをしたいと思います。 5つ目は、芸術系大学サテライトキャンパス誘致について、6つ目は、市民の足、交通利便性の確保について、7つ目は、全職員の声を募り、提言や発想を施策に反映させるという手法についての7点については、特に詳しく具体的にお願いをしたいと思いますので、市長、よろしくお願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 公約に掲げたものには、すぐにできる施策と時間を要する施策がございます。 関係部局と調整しながら、すぐにできる施策につきましては年度内にも対応をし、時間を要する施策につきましては、新年度の予算措置も含めて検討したいと考えております。 以下、順次申し上げます。 18歳までの医療費無料化の拡大につきましては、新たな子育て支援策として、来年4月からの実施に向け、現在、検討、準備を進めているところでございます。 必要であれば、その準備のための補正予算も考慮に入れて、議会の同意をいただけるよう、検討してまいりたいと考えております。 次に、防災対策に関係しましたサテライトスタジオの関係でございます。 防災対策はとても重要でございまして、特に、情報発信には力を入れたいと考えております。安曇野市には、あづみ野FMが開局しておりまして、現在も、連携しながら市の情報発信を行っているところでございます。 専用のスタジオを設置しなくても、持ち運び可能な機材でラジオ放送を行うこともできるため、必要に応じて発信の方法を選択して、情報提供を行ってまいりたいと考えております。 次に、安曇野を舞台としたドラマ、映画の誘致についてでございます。 現状は、市は、市の観光協会と協力しながらその受入れを行っておりまして、いわば受け身の状況でございます。今後は、積極的な誘致に向けた体制をつくってまいりたいと考えております。 次に、観光関係穂高神社御遷宮でございまして、コロナウイルスから市民と生活を守るということが第一でございますが、その中で、コロナ感染症によりまして観光客が減少し、安曇野市の観光、飲食業も大きなダメージを負っております。 穂高神社の御遷宮に関連した観光客の誘致は、観光客を回復させる大きな起爆剤になると考えております。補正予算も含みまして、機会を逸しないよう対策を講じてまいりたいと考えております。 次に、芸術系大学サテライトキャンパスでございます。 安曇野市は、県内でも有数の博物館、美術館が存在しており、安曇野スタイルネットワークなどの市民活動も活発であり、様々な文化が根差した地域でございます。 このことから、芸術系大学サテライトキャンパスにつきましては、市民の皆様とも親和性があり、安曇野市の特徴にも合致していると考えまして公約としたところでございます。 その誘致に向けまして、可能性の高い大学と接触を図りつつあります。受入れ環境の検討も、その過程で詰めていくことになります。機を逸しないように進めたいと考えております。 次に、市民の足、交通利便性の確保についてでございます。 交通弱者といわれる高齢者の方、あるいは障がい者の方、そしてまた学生への対策が必要だと考えております。この問題につきましては、幾つかの施策を考えております。様々な御要望もいただいております。 まずは、デマンド交通あづみんを、より市民が利用しやすい方向で拡充を図ることを第一に考え、その後の対応を考えてまいりたいと思っております。 次に、市職員からの意見の公募でございます。 「住んでよかった安曇野」の早期実現に向けまして、多くは市民でもある市職員の声を、まず募ることといたしました。上からの改革ではなく、職員からの意見、提案を尊重することで職員のモチベーションを高めたいと考えております。 今、申し上げましたように、職員は市民の立場もあれば、市民の福祉向上を目指す職員の立場もございます。両方の視点から自由で独創的な発想を聞き、私の考えとすり合わせて、行政効果の向上や事務の効率につなげたいと考えております。 現在、既に300件以上の提案をいただいているところでございまして、今後検討を深めてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) ありがとうございます。丁寧な答弁をいただきました。 18歳までの医療費無料化につきましては、新年度から実施するということで、場合によれば、補正予算を組んででも実施をしたいということでありますので、よろしくお願いをいたします。 2番目のサテライトスタジオですが、私も、庁舎ができたときに、1階のロビーに、FMのサテライトスタジオを造ればどうだという提案をしましたけれども、受け入れていただけませんでしたが、これにつきましては、今となりましては、安曇野市には記者クラブがございませんので、記者クラブと併設した中で、1階のロビーの中で、とにかく市民の声を聞いたり、行政の発信が常にできるような形のスタジオ記者クラブをぜひ設置していただきたいと思いますが、市長、その辺はどうでしょうか。 再質問は、項目ずつにしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今、御質問がございましたサテライトスタジオ、それと併せまして記者クラブというか、私の言葉でいえば、記者会見場の関係だと思っております。 このことは私も大変気になっておりまして、現在、市におきましては専用の記者会見室、そこにもしかすると、議員のおっしゃったサテライトスタジオの併設もできるかもしれませんが、それが今ない状況でございます。 これにつきましては、私、就任早々に、その可能性につきまして担当部局に指示をしておりまして、検討を深めてまいりたいと思っております。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 前向きに考えていくということでありますので、よろしくお願いをいたします。 それから、安曇野を舞台にしたドラマ、映画の誘致についてですが、これにつきましては、以前、朝の連続テレビドラマの「おひさま」が放映されたときには、安曇野市への観光客が非常に増えたわけですので、これは、とにかく市長の人脈で実現をぜひお願いをしたいと思います。 それから、穂高神社御遷宮についてですが、これにつきましては、前回の御遷宮のときには、御船の文化という位置づけで、県から補助金として480万頂いたわけですけれども、来年の御遷宮については、そういった手当、補助金の関係は考えているんでしょうか。申請、もう既に予算が組まれて間に合わないとかあるかもしれませんが、その辺はどうでしょうか。
    ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 穂高神社の御遷宮につきましては、県のほうも、善光寺の御開帳、それから諏訪の御柱、あるいは飯田のお練りまつりといった、ほぼ同時期に行われる行事と併せまして、私どもから穂高神社の御遷宮という話もしておりまして、観光キャンペーンの一環としているという話は伺っております。 個別の補助金について、私、詳細は承知しておりませんが、市独自として、あくまでも観光行事としての御遷宮につきましては、必要な周辺の補助金といいますか、事業をしてまいりたいと考えております。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) これも、ぜひ市長の人脈で、県のほうから補助金や、まあまあ支援をいただければ、大変助かって盛大にできると思いますので、ぜひよろしくお願いをいたします。 それから、芸術系大学サテライトキャンパスですが、これにつきましては、一刻も早い対応をお願いしたいと思います。 内閣府地方創生推進室では、新たな地域の拠点の位置づけにおける新たな産業の創出など、地方創生に大きな効果が期待できるということで、サテライトキャンパス設置に向けた取組を支援して、補助金を出しております。 今、安曇野市は人気がありまして、安曇野市サテライトを模索している大学も、事実、あります。そういったサテライトが複数できれば経済効果も倍増しますので、複数でも、とりあえず芸術系が誘致できれば最高だと思いますけれども、これにつきまして調べてみましたら、私どもが友好都市結んだ東金市ですが、これについては50億円、大学に支払って誘致をしたと。そういうことですが、50億円を上回る経済効果があるということです。 今、サテライトを模索している大学が複数あると思いますけれども、そういった誘致合戦みたいなのが始まるかもしれませんが、そういったことに負けないように、早い段階で検討しなければいけないと思いますが、まず土地だとか、どういう支援をしてだとか、そういう構想がありましたらお聞きをしたいと思いますが、市長、よろしくお願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 実は、芸術系の大学というのは、あまり大きなキャンパスを必要といたしません。 基本的には、美術系にしても音楽系にしても、サテライトになるのは現在私どもが持っている社会教育施設の一部利用でございますとか、そういった文化施設の一部利用でございますとか、そういうことで足りますので、その初期投資としてのハード面はあまり必要ない。 ただし、一定期間、今、私どもが考えておりますのは、夏休みの3か月程度、まず、当該大学の生徒さんに安曇野市に滞在していただいて、そこで作品をつくる、あるいは演奏を磨くというようなことを考えておりまして、そうすると、その際の滞在費用につきまして、これから大学関係者と詰めていかなければならないという具合に思っているところでございます。 いずれにしてもこの問題につきましては、県も巻き込んでもう少しやりたいと思っておりますし、今、議員からのお話にありました内閣府の補助金、これも視野に入れて動いていきたいというように考えております。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) これも、市長の人脈だと思いますので、ぜひいろいろな人脈を使って、早い段階での誘致をお願いしたいと思います。 それから、次の市民の足の交通の利便性ですが、デマンドタクシーを強化していくということでありますけれども、今、周遊バスの陳情だとかいろいろな問題も出ておりますけれども、塩尻は、既にAIを使った巡回バスの検討を始めております。 安曇野市としましても、そういったAIバス、AIを使った周遊バスのようなことを検討していく必要があると思いますが、その件についてはどうでしょうか。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今、お話のございました塩尻市でのAIを利用したバスの話、これは、私も非常に大きな関心を持っております。また、かつては、伊那市におきまして無人バス、この運行を視察したことがございます。 そういった意味で、今後の中では、先ほど申し上げましたあづみんの、より使いやすい形での改編も含めました中で、AIについては考えてまいりたいと思っております。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) AIについて考えてまいりたいということですので、ぜひこれも早い段階から検討を始めていただきたいと思います。 それから、全職員の声を募り、提言や発想を施策に反映をいう大変いい試みだと思います。優秀な職員がいますので、ぜひそういった中からいい施策は取り入れて、安曇野市のために取り入れていっていただければいいかなと思います。 ただいま市長の思いをお聞きしましたが、最終的には、「住んでよかった豊かな安曇野」につながりますように、政策を実現していただきたいと思います。 それでは、3番目ですが、財源を確保するための施策と土地利用の考え方をお聞きいたします。 18歳までの医療費無料化一つとってみても、5,000万前後の財源が必要になります。その他の教育、福祉を充実させるためには、多額の財源が必要になりますが、その財源を確保するための施策をお聞きいたします。 私は、財源を確保するには、土地利用の考え方が大きなウエートを占めると思います。私は、めり張りある開発が非常に大切だと考えております。残すべき自然は残し、開発するところは思い切って開発するということであります。 現在、若者が都会の大学へ進学をし、そのまま都会へ就職をしてしまうケースが、現象が続いております。コロナで在宅勤務やテレワーク化が加速をしました。都会に会社がなくてもいいIT企業がたくさんあると思われます。そういったIT系の企業を誘致し、自然に囲まれた中での仕事をしたい若者を、逆に都会から呼び寄せることも、自主財源の確保につながっていくと思われます。 現在、須坂市と千曲市が、50ヘクタール規模の開発で誘致合戦が繰り広げられております。安曇野市は、ちょっと乗り遅れてしまった感がありますけれども、軽井沢などは、アウトレットという都会的な部分と自然の中の閑静な宿泊施設や別荘をうまくマッチすることによって繁栄していると思われます。 安曇野市には豊かな自然がありますし、温泉もあります。にぎわいのある商業施設、例えばIKEA、コストコを誘致できれば、北は糸魚川、長野方面、南は山梨まで集客が見込めます。温泉郷も統一感をもってPRができれば、東京、名古屋方面からの滞在型観光客の集客も見込めます。また、温泉が企業誘致にもつながります。 それにより、企業から観光客から、税収の大幅なアップを考えられますので、そういったことをぜひ進めていただきたいと思いますが。 今までの市長は、民間との交渉が本当に苦手だったと思われます。私は、市長が先頭に立って、積極的に民間に営業をし、民間をうまく利用すべきだと思いますが、市長の考えをお聞きいたします。お願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今、議員から御指摘のございましたように、教育や福祉の充実など、市政の推進には、やはり財源の確保が必要でございまして、その意味では、様々な財源確保の手段を講ずる必要があると思っております。 1つは、企業誘致、それに伴う産業団地の造成でございまして、製造業等を産業誘致いたしまして、雇用の創出と税収増を目指しているところでございます。 また、今、議員も同じく指摘がございましたが、安曇野市の特性を受けました、いわゆる県の言うところのリゾートテレワーク。多くの方が安曇野市に定住していただきまして、東京等の会社と仕事ができるという状況をつくるようなことも一考だと思っております。 そういう意味におきましては、一つ私は、商店街にあります空き家を対策としてのテレワークの推進、あるいは観光地におきます空き家、これも空き家でございますけれども、空き家でなくてもいいんですが、宿泊施設を利用したテレワークの推進、こういったものは考えてまいりたいと思っております。 また、先ほどの産業団地の話に触れますと、こういった産業団地の造成によりまして、企業の進出を支援し、税収増につなげるように努めていきます。 また、今、御指摘のありました観光客の集客を見込んだ大型商業施設の誘致という話がございました。実は私、前職におきまして、須坂市長さん、それから千曲市長さん、両方からその状況を伺っている立場にございましたけれども、これはなかなか簡単にはいかないところでございますし、また、地元の商業者との調整が非常に難しいということもございますので、これにつきましては、より検討が必要だという具合に思っております。 ただ、今指摘がございましたように、市内には様々な観光資源がございます。これを生かしまして、特に通過型ではなくて滞在型の観光、あるいは、それに向けた、その先にございます定住に向けたそういった施策を進めていくということが、将来的には税収の増にもつながるという具合に思っているところでございます。 土地利用条例に基づく土地利用基本計画では、工場等を立地するという、さらに様々な条件を課しております。これは、良好な住環境を確保するために、住宅系と工業系の用途を混在することを避けるためと考えております。 そういった意味では、現在の自然の保全、それと環境の保全、それと開発、これのバランスを取りながら進めてまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) お答えをいただきました。 企業誘致については、積極的にやっていきたいということであります。 IT関係の企業につきましては、既にそういった取組をしているということでありますし、土地利用の関係で非常に難しい面もありますが、これは何といいますか、須坂も千曲も調整区域が50ヘクタール、農地転用ができるような仕組みもあると思いますので、いろいろ研究をする中で、税収が上がるような施策をしていただきたいと思います。 そして、開発一辺倒ではいけないと思いますので、めり張りをつける必要があります。安曇野市にとって、田園風景が観光の振興には重要な要素です。農産物の価格も安いため後継者がおりませんので、田園を守るための省力化が必要になってきます。いわゆるスマート農業です。少ない人数で、より多くの面積を管理するために、AI、ITを活用した農業を推進する必要があります。 市も、第3次安曇野市農業・農村振興基本計画を策定しておりますが、AI、ITの導入については、市が協力して支援をすべきだと考えますが、市長、どうでしょうか、お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) ただいまの質問に先立ちまして、その前の質問のときに、市長が先頭に立っての取組をどう考えるのかという質問に対してのお答えがちょっと欠けておりましたので、補足させていただきます。 私は選挙公約で、自ら先頭に立ち、安曇野の魅力を世界に発信して売り込むという約束をしております。当然民間企業に安曇野市を売り込み、企業の皆様のお力を借りながら安曇野市の振興を図ってまいりたいと考えております。 次に、農業におけるAIでございます。 スマート農業につきましては、設備や機器の導入費用が大きいことから、市では、担い手やJAなどと情報を共有し、国や県の補助事業を有効活用しながら、まずは大規模農家におけるスマート農業の研究をしてまいりたいと考えております。 市内では、令和2年度に農業法人が、ITを活用した農業経営のスマート化の検証を実施しております。この検証の状況把握、情報収集を行い、今後の施策の研究材料としてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 企業誘致につきまして補足がありましたが、市長が先頭に立って民間に飛び込んでいきたいと、大変力強い、またお言葉をいただきました。ありがとうございます、よろしくお願いします。 スマート農業については、国や県の補助金をできる限り頂く方法を探っていただいて、場合によれば、安曇野市独自の支援をしてでも、この田園というのは守っていかなければいけないと思いますので、よろしくお願いをいたします。 自然があって、働く場所があって、近くににぎわいの場所があるというのが、「住みたい安曇野、住んでよかった安曇野」につながると思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。 それでは、大きな項目の2つ目の自然エネルギーの活用です。 現在、全世界、地球規模の課題が、脱炭素時代へ向けての取組であります。 10月31日、閉幕したG20サミットでも、温室効果ガス排出量を、今世紀半ばまでに実質ゼロにする宣言をしました。11月2日のCOP26での岸田総理の演説では、2050年温室効果ガス排出実質ゼロの方針を明言しました。 安曇野市でも、何かアクションを起こす必要があります。 まず、1つ目ですが、2050年までに、二酸化炭素排出実質ゼロ表明をした自治体が、長野県では現在14市町村あります。政府も、脱炭素に向け、意欲的な取組をする地方公共団体等に対し、地域脱炭素移行推進交付金による支援を、令和4年度から令和12年度まで行う方針を立てております。 今まで取り組んでこなかった安曇野市としましては、一刻も早く宣言をして、脱炭素に向けて取り組んでいく必要があると思いますが、市長、どうでしょうか、お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 安曇野市、現在まで、ゼロカーボンの宣言をしていなかったということでございまして、これは恐らく、ゼロカーボンに向けての、市としてのロードマップが描けていなかったことからということで考えております。 令和4年度、来年度でございますが、第2次安曇野市環境基本計画の中間見直し、環境行動計画の策定を行うこととしております。この計画の中に安曇野市地球温暖化対策実行計画を盛り込む予定でございまして、この計画策定に合わせまして表明を考えてまいりたいと思います。 市は、県の気候非常事態宣言の賛同団体の一員でもございます。地球温暖化対策推進法、あるいは県のゼロカーボン戦略などを踏まえまして、他の自治体、あるいは関係団体と連携もしながら、ゼロカーボン対策に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) ただいま関係団体とも協力をしながらという答弁であります。 これについては、表明することによりましてイメージもよくなりますし、また、それによる交付金にもつながると思いますので、ぜひ早い段階での検討をして、宣言をお願いしたいというふうに思います。 2つ目の公共施設での自然エネルギーの活用です。 今までに一般質問等でも、公共施設への自然エネルギーの導入を訴えてまいりましたが、なかなか取り入れていただけませんでした。二、三のこども園では、太陽光が設置をされたようですが、地中熱については全く導入がされておりません。 全て省エネ対策をした建物にして、地中熱を利用して、屋根に太陽光を設置すれば、80%前後の電力が節約できるというデータは出ております。合併特例債が活用できた本庁舎や総合体育館で導入すれば、相当財政負担が軽くなり、PRにもなったと思いますが、過去を振り返っても仕方ありませんので、今後建設が予定をされている三郷西部、東部こども園の屋根に太陽光パネル、地中熱を利用した冷暖房を、とりあえず公共施設から始め、民間に広げていくべきだと思いますが、どうでしょうか、市長、お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 申し上げます。 第2次の安曇野市環境基本計画では、基本施策の一つに、市施設における新エネルギー設備の導入を掲げているところでございます。 令和3年度から10年間を計画期間といたします第3次安曇野市地球温暖化防止実行計画におきましても、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーなど、脱炭素社会の構築に資するエネルギーの採用を検討するとしているところでございます。 しかしながら、現時点で、市公共施設の自然エネルギー設備の導入は限定的だと考えております。その中で、今後建設する公共施設につきましては、地球温暖化対策推進法及び県のゼロカーボン戦略を踏まえまして、自然エネルギー設備の積極導入を検討してまいりたいと考えております。 御質問にございました三郷西部の認定こども園につきましては、太陽熱を利用した省エネルギーシステムを導入して空調負荷の低減を図ります。また、三郷東部認定こども園につきましても、自然エネルギーの活用を検討してまいりたいと考えております。 また、これらの方式につきましは、議員の御質問にございました地中熱の利用、あるいは太陽光発電のほか、太陽熱の利用等もございます。それぞれのメリット、デメリットの比較をした中で、最良の方式を採用してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 地下熱だとか太陽光につきましては、太陽光は今、補助のほうはどうだか分かりませんが、地中熱については相当な補助事業があると思いますので、ぜひ研究をして、財政負担がなるべく軽くなる方法を選んでいただきたいと思います。 それにしても、安曇野市の場合は、特例債と補助金と、今までも両方使えたわけですけれども、合併特例債のない池田町だとか松川村、朝日村等が導入をしておりますが、特例債が活用できる安曇野市が、今までなぜ導入をしてこなかったのか分かりませんが、今、申し上げましたとおり、特例債のほかに、そこの施設を避難所に位置づけるとか、いろいろな形の中で補助のメニューがありますので、ぜひ研究をして、環境保全と財政負担の軽減に努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 目標を達成するには、石炭の火力発電を減らすのが第一条件ですが、それには、自然エネルギーの活用が大変有効であります。 安曇野市では、太陽光パネル設置の特定開発の申請が出されれば、景観が悪いとか自然を破壊するとの理由でなかなか実行ができません。確かに、安曇野の景観を損なうような太陽光発電には問題があると思います。 そこで、3番目の企業誘致を推進し、屋根に太陽光パネルですが、現在、インター東も造成工事が進んでおりますし、それ以外でも、市が協力をして企業誘致を進める中で、屋根に太陽光パネルを設置していただき、何かの特典をつけて条例化するなり、最終的には、建築確認の段階で義務化をするというのはどうでしょうか。設置するには、屋根の構造計算上、多額の費用がかかりますので、国なり県の補助制度を要請していく必要がありますが、条例等による義務化と補助金の要請について、市長のお考えをお聞きいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 御質問にございました屋根への太陽光パネル設置につきましては、第2次の安曇野市環境基本計画の中間見直しにおきまして、重点施策に位置づけて、実効ある内容となるよう検討してまいりたいと考えております。 県が、今年の6月に策定いたしましたゼロカーボン戦略におきましては、全ての建物への屋根ソーラーの設置を、再生可能エネルギーの普及拡大の対策ポイントとしております。 県では、建築物を新築する際、床面積2,000平米以上の大規模建設物の建築主に対しては、自然エネルギーの導入の検討を義務づけておりまして、今後、中規模建築物までの規模の引下げと、将来的な導入義務化を検討していると承知しております。 安曇野市に進出する事業者に対して、屋根への太陽光パネル設置を義務化した条例につきましては、今、申し上げましたような県のゼロカーボン戦略、それから脱炭素社会づくり条例などを踏まえまして、将来的な設置義務化については検討してまいりたいと考えております。 国や県への補助金の要請につきましては、国や県が、新たな補助事業を検討していると聞いております。その活用につきまして十分に検討をし、必要があれば民間や関係団体とも連携し、申請、要請を行ってまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) お答えをいただきました。 県などで推進して、補助事業もありそうだということですが、安曇野市独自の条例なりしていただければ、ここ、とにかく二、三年で建設された建物の屋根は、恐らく3万平米以上はあります。 今現在計画されている建物の屋根だけでも、3万平米以上は少なく見てもあると思いますので、これをうまく利用しない手はないと思いますので、市の条例はともかくとして、積極的に呼びかけて、屋根を利用していただきたいというふうに思います。 国も目標を達成するために、施策はいろいろ考えておりますが、全国に先駆けて、そういった一歩進んだことを、ぜひやっていただきたいと思います。 それから、続いて、4番目の荒廃農地を利用した太陽光発電ですが、現在、中山間地の農地が荒廃をしております。これを何とか活用できないかということであります。 農地一時転用の許可で、パネルの下に牧草なり農作物を栽培することが条件ですが、荒廃農地の再生については、本来3年に一度の申請が、10年に一度の申請で、地目が農地のまま設置できる制度があります。 安曇野市でも、わずかにやっているところがあるとお聞きをしておりますが、これからは市が推進していく必要があると思いますが、その辺は市長、どうでしょうか。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 農地での太陽光発電設備設置でございます。 農地法における農業委員会の許可は必要でございます。 荒廃農地になる主な要因は、地権者の事情、高齢化の問題でございますとか様々でございまして、あるいは、その場所等の条件もございます。 発電設備につきましては、土地の有効活用、環境面では有用な面がございます。一方で、大規模なものはその地域との調整、平地部では景観の問題、中山間地におきましては、土砂災害につながる可能性など周辺への影響、こういったものの懸念もございまして、地元住民の理解を得られるかというような問題もあるところでございます。 市といたしましては、こういった地域の状況を見極めた上で対応を考えてまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 当然地域の意見を聞きながらということでありますけれども、これにつきましても、区長を通じるなり広報で、こういう制度がありますよという、知らせることぐらいは大切だと思いますが、これについては農林部長、どうですか。その周知をさせるような計画はないですか。区長などと、当然地域と話をしていかなければいけないことですが、計画、もしあったらお願いします。 ○議長(平林明) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 今、宮下議員のほうから、太陽光発電等を行うに当たって、地域の皆さん、区長さん等への周知をされてはどうかという、そういった御質問でございます。 当然農地に限らず、太陽光発電等の設備、計画がある場合には、それぞれ特定開発等で、地元の説明会等が必要というような場合もございます。 私ども農林部で所管をさせていただく内容について、特に地元の区長さん等へ、そういった案件がありますよといったような広報をするということは、今のところは考えておりませんが、当然庁内で行われる調整等必要な場合につきましては、都市建設部、関係部署等とも相談をしながら行っていくということは、必要だと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 荒廃農地につきましては、たしか、土砂災害だとか問題があるということはあると思いますけれども、自然にあまり影響がなかったり、もともと田んぼで、水はいつも通っていたような部分もありますので、その辺のところは地域と相談しながら、できれば進めていただきたいというふうに思います。 国も、地球温暖化対策推進法の一部を改正する法案を検討しております。2050年までの脱炭素社会の実現を基本理念として法律に位置づけ、地方創生につながる再エネ導入を促進するということであります。 安曇野市にとって、豊かな自然環境は財産ですので、それを守るため、二酸化炭素排出実質ゼロを目指し、地球温暖化防止に真剣に取り組まなければいけないと思います。全国に先駆けて、安曇野モデルのようなものができればいいなと思うわけですが、自然再生エネルギーの活用をお願いいたしまして、次の質問に入ります。 続きまして、大きな質問事項の3番目ですが、松本、糸魚川道路建設に伴う安曇野市としての計画ですが、長野県の公共工事評価監視委員会が、10月25日に、松糸道路について、今までの現地調査の結果、妥当との評価を示し、令和4年度からの事業づけに向けてお墨つきを得た格好になりました。 今回の衆議院選挙で当選をした関係市町村選出の代議士全員が推進をしておりますので、一気に建設に向けて進むと思われます。安曇野市もこれをチャンスと捉え、安曇野市が発展する計画を一刻も早く示さなければいけないと思います。 そこで、まず、ちょっと代表質問とすれば小さな部分から入りますが、1つ目の既存道路の右折れ車線の整備ですが、安曇橋から西へ向かう信号に右折れ車線がないために、朝の通勤時間帯には二、三キロの渋滞が発生してしまいます。狐島に出入口ができれば、さらに深刻です。これは、一刻も早い対策が必要だと思われます。技術的には、橋の西側のワンスパンを3車線にすれば解決ができます。 もう一か所、これは、松糸道路に絡めていただければ絡めていただきたいわけですが、光橋を西へ渡り、長野道のカルバートをくぐった信号の右折れ車線です。これも、朝の通勤時間帯は大変であります。 2か所とも、右折れの車が1台いれば、直進も左折れも全て動けませんので渋滞が発生してしまいます。ここの解決策は、カルバート内を3車線にすれば解決ができます。歩道の部分を車線にして、歩道は、長野道の下を推進工法で南側を通せば解決ができます。 この2か所は松糸道路の条件として、すぐにでも県へ申請して、県の事業として早く事業づけをしていただきたいわけですが、市長、どうでしょうか、お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 御質問にございました安曇橋があります主要地方道穂高・明科線につきましては、安曇橋南交差点から常盤橋の東までの区間で、現在、県で歩道整備を計画しております。 議員御指摘の安曇野橋南交差点付近は、松本糸魚川連絡道路も計画されておるため、県でも、それと整合を図りながら設計を進めていると聞いております。 それから、県道豊科・大天井岳線、光橋西交差点への右折レーン設置につきましては、通勤時間帯に、国道19号からの車両で渋滞が発生しておりまして、県でも課題であるということは認識しているというふうに言っております。 県からは、松本糸魚川道路の開通など、将来の交通状況も見据え、一方で、関連事業としてではなく別事業として、光橋西側信号交差点の効果的な渋滞対策を検討していくというふうに聞いております。 松本糸魚川連絡道路と併せまして、検討できる箇所、できない箇所もございますが、安曇野市でも、この2か所の渋滞対策につきましては、県に対して検討をしっかりと促してまいりたいと思っております。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) ありがとうございます。 県に検討していただきたいということで県に申し上げていくということでありますので、これも、まず市長の人脈で、ぜひ実現をしていただくようにお願いをしたいと思います。 松糸道路は、安曇野市始まって以来、最大事業です。できるところから手をつけなければいけないと思います。松糸道路ができることによって、一人でも多くの市民に、「できてよかった、渋滞も緩和された」と思っていただかなければなりませんので、第一歩としてよろしくお願いをしたいと思います。 2番目の出入口を見据えた取付道路計画です。 安曇野市には、3か所の出入口ができる計画になっております。21年度までの計画調査の段階は県の負担でしたが、22年度採択されれば、国の事業としてスタートをします。 取付道路については、市道あるいは県道ですので、市あるいは県が主体となって計画を立てる必要があります。 まず、南から、市道豊科4038号線出入口ですが、これにつきましては、関係区の意見をしっかり聞いていく必要があると思いますが、どうでしょうか。 2番目の市道明科4036号線ですが、これは計画案に沿って、信号機だとか道路の幅員、歩道等の具体的な計画を検討し始めなければいけないと思いますが、どうでしょうか。 3番目の狐島の出入口ですが、ここが、安曇野市の観光につながる重要な出入口だと捉え、穂高温泉郷につなげる東西線の整備をぜひお願いをしたいと思います。 安曇野市には、有効な東西線が1本もありませんので、147バイパス先線、通称、高家線ですが、これは計画どおりに進めていただきたいわけですが、狐島出入口からの山麓線につなげる道路は、松糸道路と一体化した形で計画をして、国・県の事業として位置づけていただきたいと思いますが、どうですか。 これについて、狐島からの東西線は、ちまたには言われておりますが、表へ出ての話はあまりなかったような気がしますので、市長の、これも人脈で何とかできれば一番のメリットだと思いますので、よろしくお願いをしたいわけですが、お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 順次、お答えを申し上げます。 松本糸魚川連絡道路の出入口、市内に3か所、計画されております。 このうち、2か所の出入口に通じるアクセス道路は、市道であることから市が整備を進めることとなります。仮称の安曇野北インターチェンジ北側の出入口にアクセスする市道豊科4038号線は、主として、農道や生活道路として利用されていることから、整備方針につきまして、議員の御質問にもございました、地域の皆様との意見交換を行う予定でございます。 2番目の出入口にアクセスする市道明科4036号線は、国道19号にアクセスする主要な道路となることから、先行して進めていきたいと考えております。来年度から、沿線の地形測量を実施してまいりたいと考えております。 市では、地域の皆様と意見交換を行う組織として、各区に対策委員会の立ち上げを依頼しておりまして、今年度末までに役員の選出をお願いしているところでございます。 3番目の北穂高出入口は、高速道路を利用して西山山麓の観光地を訪れる際に、最寄りの出入口として利用されることが想定されるため、道路整備推進計画で計画しております穂高市内北側の東西道線、これが重要な路線と考えております。北穂高出入口は、松本糸魚川連絡道路から県道塩尻・鍋割・穂高線までを結びます穂高北側の東西道線の付近に設置されます。 市では、本路線を含む国道147号先線、公園線、この3本の東西幹線道路を、市内の東西幹線軸を整備する上で重要な路線と位置づけておりまして、整備方針など、県と調整を図りながら進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) お答えをいただきました。 明科4036号線については、来年度から測量が始まるということでありますので、結構なことだと思います。 今、穂高温泉郷につなげる東西線の関係はちょっとお聞きしたわけですが、ちょっと今、聞き取れなかったというか、理解ができない部分もありましたので、もう少し具体的な話ができましたらお願いをしたいと思いますが。 既存道路を使って考えているわけでしょうか、都市建設部長でも。 ○議長(平林明) 坪田都市建設部長。 ◎都市建設部長(坪田浩昭) お答えいたします。 安曇野市内の東西幹線につきましては、先ほどの市長からの答弁にもございました北側、それから、いわゆる公園線、そして147号先線、この付近と、大きく3本が重要だということで、私ども、道路整備の推進計画のほうには位置づけてございます。 ただ、具体的なルートにつきましては、まだ、これからになるところでございます。 答弁の最後にもございました整備方針など具体的なところ、県とこれから調整を図るところになります。その中で具体的な、どのようなところへその幹線を持ってくれば一番いいのか、そういうようなことも、これから調整を図って協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 分かりました。 これから検討をしていけばいいということですので、ぜひ検討をして、狐島からの出入口で、ぜひ山麓線につなげる、スムーズに山麓線までたどり着ける道を検討して、松糸道路とかけ合わせの中でやっていただきたいと思います。 それでは、松糸道路、3番目の出入口を見据えた企業誘致用地の意向調査に入ります。 安曇野市には、3か所出入口ができるということはチャンスと捉えなければなりません。私は、3か所とも、条件的には最高の場所だと思っております。 明科の中川手については、わさび田を利用した観光農園、あるいはコストコ、IKEAを視野に入れたショッピング街、あるいは工場団地、幅広い利用度があると思います。 狐島については、青花見工場団地につながりますので、これも利用度は大変高いものがあると思います。 それと、狐島出入口から東へ安曇橋を渡ったところに下押野地区がありますが、出入口から二、三キロのところですが、この地区は、水田の圃場整備が行われていない地域で、農業の後継者もいません。既に荒廃化をしている農地があります。 この3か所について、農業を続けたいのか、売却をしたいのか、貸したいか、あるいは代替地としてでも処分をしたいかなどの意向調査をする必要があると思います。 方法とタイミングが大変難しいと思いますが、区長と相談をする中で準備をしておき、タイミングを見て行う必要があると思いますが、市長、どうでしょうか。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 松本糸魚川連絡道路が整備されることによりまして、交通の利便性の向上があるということで、その出入口付近の開発について、今後、関心が高まることが予想されております。 工場、商業、または住宅など、異なる建物が混在して建築されることを防ぐために、一帯として、計画的な土地利用を図るための誘導が必要と考えております。 その中で、どのような土地利用が望ましいかということにつきましては、御質問にもございましたが、地域の皆さん、あるいは地権者の皆さんの御意見をお聞きしながら、必要な調査などを実施し、方針を決めていく必要があると考えております。 意向調査につきましては、松本糸魚川連絡道路の進捗を見ながら、適切な時期に、地域の皆様との話し合いの場を設けながら検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 地域の皆さんと、適切な時期に検討をしていきたいということであります。 これは、そうはいっても、やはり地権者の意向が一番大切でありますので、当然そこの地権者の意向が一番大切だろう思います。 それにしましても、サテライトキャンパス一つ誘致するにいたしましても、グラウンドが要るということになれば、5ヘクタールぐらいの土地が必要になりますので、土地の意向調査というのは、ここと思われるところは、ぜひ区長と相談をしてやっていただければいいかなというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 松糸道路出入口周辺は、有効な土地利用をする必要があると思いますが、先ほど申し上げましたとおり、地権者の意向が第一ですので、よろしくお願いをしたいと思います。 筑北村のスマートインターなどは、事業づけが決まった時点で、同時に企業誘致に動いたのではないかと思われます。23年度の開通と同時に、工場の供用が始まるということですので、素早い対応だったと思います。松糸道路も、安曇野道路部分の4キロにつきましては都市計画の決定もされておりますので、早い段階で事業化されると思います。 自主財源が確保でき、福祉と教育の充実が、「住んでよかった!ゆたかな安曇野」につながると思いますので、冒頭に申し上げましたように、我々会派 あづみ野も協力を惜しみませんので、よろしくお願いをしたいと思います。 安曇野市のますますの発展を祈念して、質問を終わります。--------------------------------------- △松枝功 ○議長(平林明) 次に、会派、政和クラブ。持ち時間は30分以内といたします。 代表、松枝 功議員。     (10番 松枝 功 登壇) ◆10番(松枝功) 10番、政和クラブの松枝 功です。 通告に従い、会派を代表して太田市長の施政方針について質問をいたします。 まず、太田市長の市政運営について、行政と市民、また議会、この3者の関係についてどのように捉えて、今後まちづくりを進めていくのかをお聞きしたいと思います。 前市政、宮澤市政では、まちづくりの方針として、市と区、地域とは対等のパートナーだと掲げ、地域の課題解決に精力的に取り組んできた経過があります。地域、特に地域をまとめる区においては、この方向に沿い、組織の改編や地域づくりの仕組みを整える取組を進めてきています。 行政の下部組織ではないという意識の下、行政とは対等の立場で議論し、地域の課題を地域が主体となって解決していく素地が確実に醸成されてきたと。この取組については、このような成果も踏まえて評価したいと思います。 ただ、この取組も大分年数もたち、ここで、地域住民の皆さんの身近な課題解決が順調に進んでいるかといえば、十分ではないようにも感じます。 今回の私の選挙活動でも、多くの区長さん方とお話をする機会があったのですが、ある区長さんからは、「対等だというが、工事の要望などを上げても、市の担当者から予算がない。優先順位が低いと言われて終わってしまう」とこぼされました。 対等と祭り上げられても、お金がかかることは、予算を握り、執行権を持つ行政の言うなりの現実があるのではないか、地域が損をしている現状ではないのかとの思いが、お話しいただいたその区長さんにはあるようですし、そして、私にもあります。 私どももそうだったと思いますが、私も今回の市議会議員選挙では、コロナ禍であっても、地域の皆さんの切実な声を聞く機会が多かったと感じています。私は、今回三度目の選挙だったんですが、市民の皆さんにとって身近な課題、道路などの生活環境の改善や人口減少対策、福祉施策の充実など、課題は減っていないように感じましたし、皆さんからは、「解決に、議員のあなたも取り組んでほしい」という切実な声。実際の気持ちというのはもっと強烈で、「議員のくせに何やっているんだ、しっかりやれ」という強いお叱りの声、気持ちだと感じましたが、この叱咤は、裏返せば、議員という職にある者に対する期待感、激励とも言えます。 このような声をいただき、真摯に初心に戻り、当選の暁には、市民の皆さんの期待に応え、豊かなまちづくり、地域づくりにさらに必死に取り組まねばと肝に銘じて選挙戦を戦い、この場に立たせていただいております。 さて、ところが、市と地域、区は、対等のパートナーだということで、市民の身近な課題解決に、この2者、市民と市というんですかね、地域と市だけで取り組もうとする仕組みが続く中では、市民から期待されてこの場に立つ、私ども議員の立ち位置はどこにあるのでしょうか。 私は、以前からこの議員の立ち位置について、もっと言えば立ち位置のなさ。議員は、地域のことには首を突っ込まなくてもいいよといった雰囲気が醸されているように感じて、残念でならないのです。 時代遅れ、時代錯誤のそしりを承知で申し上げたいんですが、昔の話です。 合併前の町村時代には、役場の一部に、行政と議員、地域の代表などが集まり、地域の課題について、持ち場、持ち場での情報や知恵を出し合い、解決を図ろうとする姿をよく目にしましたが、近ごろはほとんど見かけません。 確かに、それぞれの立場の原理原則の部分は尊重されなければなりません。議員の役割は、市長が提案した議案の議決、行政運営についての監視であって、まちづくりや行政施策への支援などはどこにも書いてありません。 しかし、原理原則にこだわり過ぎて、市民の身近な課題解決や豊かな地域づくりが進まなくていいのか。大きな自治体はともかく、安曇野市のような規模の自治体では、私たち議員も、常に市民の皆さんの顔の見える場所で活動していますし、市民の皆さんの声も直接届きやすい現実があります。 また、よく議員は、地元の代表ではなく、市全体の代表だといって、特定の地域課題への関わりをよしとしない声も聞かれますが、しかし、私ども議員も選挙によって選出されます。もちろん全市的な観点からの活動もしっかり行いますが、当たり前の話ですが、地域の代表ではないものの、支援してくれた方々、地域への思いはあります。 地域という言葉を少し使い過ぎたかもしれません。今回の選挙では、まちづくりを思い、多様な社会活動を進める団体やグループなどの支援をいただいた議員もおられると思いますが、この場合もやはり同じだとは思います。このような議員が背負っている地域や団体などが抱えている課題の解決に、議員が率先して取り組まなくていいわけはないと私は申し上げたい。 ここまで来ますと、私の質問が、太田市長に対する質問なのか、後ろにいらっしゃる議員の皆さんへの激励なのか、少し分からなくなってきている部分もあるんですが、本日、この場で申し上げることが重要だと思っていますので、続けます。 議員の皆さんにも、関わりのある地域や団体などが抱える課題に敏感になり、遠慮せずに解決に頑張ってほしい。そして、行政の皆さん方には、これをぜひ前向きに受け止めていただきたい、こういう気持ちがあります。 太田市長、私のやや前のめりの演説にお付き合いいただき申し訳なかったんですが、市長は、まちづくりの抱負の中で、住んでいる人が本当に幸せに暮らしていることを最大の目標に掲げておいでです。市民が、ここに住んでいてよかったと思えるための要素は数多くあると思いますが、市民の皆さんの身近なところでの課題解決も重要であり、その進め方については、市民と行政とともに、市議会議員も含めた3者の協力関係を見直し、多少逆行するようであっても、市民のために効果的な方法を体制で進めていただけないかというのが、私の最初の質問の趣旨でございます。いかがでしょうか、太田市長にお聞きしたいと思います。 ○議長(平林明) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) 今、御質問あった件でございます。 まず第1に、区と市は対等なパートナーというのは、安曇野市発足後の平成18年度に、区長会と市で時間をかけて議論し、導き出されたものと承知しております。以来、協働で、多様化する地域課題の解決に向けまして、取り組んできたという具合に考えております。 区からの地域要望につきましては、要望に係るガイドライン等に照らしまして、また、事業の緊急性、効果などを総合的に判断した上で対応してまいりました。 安曇野市の自治基本条例では、自治の基本理念として、市民、市議会及び市は、それぞれの役割及び自主性を尊重し、まちづくりに向け、協働して自治を推進するものと掲げてございます。 したがいまして、市議会の皆様の、例えば基盤となっております地域でありますとか、あるいは様々な活動されているグループ、これの意見を、ぜひ市にも上げていただきたいという具合に思っているところでございます。 公正で開かれた市政の推進を図るためにも、市民と、それから市議会の議員の皆様、それから市が、それぞれ担う役割と責務を果たす中で、協力体制を築いていくことが必要だという具合に考えているところでございます。 ○議長(平林明) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) 分かりやすい御答弁をいただきました。 次に進みますが、今度、また市議会の話で恐縮なんですが、議会基本条例、先ほど自治基本条例を紹介いただきましたが、市議会には議会基本条例というのがありまして、この規定により、市民を対象とした議会報告会を年1回以上開くこととしております。 昨年度は、コロナ禍で、ビデオ配信の形となってしまいましたが、今年度は2月上旬に、できましたら例年どおり、市民の自由参加の下での開催を模索しております。 この議会報告会についてですが、その名のとおり、これまでは、予算議会での審議内容や議会の活動状況等について説明し、市民の皆さんの質問や意見をお聞きするというものです。ただ、出される意見は、ほとんどが、どちらかといえば行政運営に関することです。しかし、行政の担当者はいませんので、やむを得ず、市に代わって議員が、議会の立場と前置きしながら、苦慮して、やんわりとお答えする場面が多いのが実情であります。 前の宮澤市政でも一時期、行政として、直接市民の皆さんに市の課題についての説明や意見をお聞きする「市長と語る会」を開催していましたが、いつの頃からか開催されなくなりました。 近隣市の状況もありますが、太田新市政では、直接市民に行政の実情をお伝えし、意見を交換するような場の設定を考えでおいででしょうか、太田市長にお聞きしたいと思います。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) このたびの、私の後援会活動、それから選挙運動、そして、就任以降でございますけれども、様々な団体、グループ、あるいは個人の方々の面談、あるいは書簡、メールなどを通じまして、様々な市政に対する御意見、要望が寄せられているところでございます。 今後も、あらゆる機会を捉えまして、市民の皆様の声にしっかりと耳を傾けていきたいと考えておりますし、議会の皆様とも両輪となって、この4年間の市政を推進してまいりたいと考えております。 現在は、まず市の職員が日頃、市民の皆様と接する中で寄せられている声、あるいは、その声を踏まえた提言、こういったものをお聞きしているところでございまして、また、市民の皆様からの御要望があれば、随時、お話を伺っている状況でございます。 年明け、あるいは令和4年度以降につきましては、地域の皆さんや市内で活動する団体の皆様など、イメージとしてはおおむね10人から20人程度の、出席された多くの方々が発言できるような、そういった形での対話の場を設けたいと考えております。 これによりまして、市による施策説明と一問一答という形ではなくて、意見を交わし合い、理解を深めることで、実質的に地域の声を市政に生かしていきたいと考えているところでございます。 ○議長(平林明) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) これについても、大変前向きなお答えをいただいて、ちょっと恐縮をしております。 その流れで、次に行きます。 言うまでもないことですが、行政運営の主体は市長でありまして、今回の市長選で、市民の高い信任を得た太田市長の下す判断や方針というものは、尊重されなければなりません。また、実現力を前面に押し出した太田市長の行政運営の手腕にも、大いに期待をしたいと思っております。 ただ、重要なのは、重要な場面での太田市長の判断が尊重されるという一方で、その判断に至るまでの過程では、市長として、耳が痛い話にも耳を傾けることが必要になるでしょうし、今し方お聞きしましたが、そういうことも必要となるでしょうし、特に私が申し上げたいのは、決断の根拠となる事由についての説明においては、その合理性、筋の通り方が重要になると考えていることです。 これまで、以前の行政判断の説明においては、なぜ行うのか、なぜ行わないのかの説明について、どこか行政に都合のよいようなデータ、論理の展開で説明が終始しており、指摘を受けても耳を貸さない場面が多く、残念な思いをしていました。長の判断は揺るがないとしても、その判断に至った根拠が不合理、筋の通らないものであったならば、行政の資質が問われかねません。 太田市政では、その判断の根拠などに筋が通り、なるほどと、市民はじめ内外の多くの方々をうならせるような説明責任を全うしてほしいと思いますが、この点について太田市長のお気持ちをお聞かせください。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今の御質問でございます。 市民の皆様との対話を進める中では、市政に対する批判も当然あるものと認識しております。 どのような御意見であれ、私の市長という立場、市民の皆様から負託を受けた立場として、皆様からの意見を受け止めなければいけないと考えております。 また、批判的意見があれば、その批判がどこから生じたものかといったようなことも深く考えまして、改善方法などの検証を行っていきたいと考えておりますし、その上で、合理的な根拠を明らかにした説明責任を尽くしてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) それでは、次に、2問目の質問に入らせていただきます。 ハード事業の対応についてということです。 まだ、申し上げる段階ではないかもしれませんが、船出した太田市政を見させていただくと、じっくりと、先ほど宮下議員は、どっしりとという言葉を使いになりましたが、確実に市の実情を把握してから具体的な進路を決定し、しっかりと結果を出していくといった慎重さ、重厚さ、そして、何かレベルの違う力強さのようなものを私は感じております、期待を込めてでありますが。 ここでは、太田市長が発信された幾つかの施政方針の中で、ハード事業については、あまり言及がなされていないのではないかと感じ、大変恐縮ですが、多少先回りをして、私が市にとって将来的に必要だと思う2つのハード事業についての、市長の見解をお聞きしてまいりたいと思います。 まず1つですが、太田市長は選挙公約の中でも、子供を安心して生み育てることができる環境整備を掲げられています。 医療費無償化の対象拡大も、その環境整備の一つでしょうが、私には、子育て家庭の皆さんが、普通に日常の生活を送りながらも、安心して子育てができる切れ目のない環境を、安曇野市に体系的に整備し、提供することを目指していただきたいとの思いがあります。 まず、こども園についてですが、三郷西部、東部こども園の進捗事業により全ての園整備が終了しますし、他の自治体に先駆けての保育園全園の認定こども園への移行、信州型自然保育への取組など、これまでの実績もありまして、こども園を取り巻く子育て環境は、他自治体に比べても格段に充実しているものと言ってよいと思います。 ただ、一方、就園前の幼児を持つ家庭への支援とか、特に放課後の小学生の居場所である児童クラブ、学童保育の状況については、小学校の空き教室の工面など、急場しのぎ的状態が続き、環境整備が追いついていない、子育て家庭の要請に応え切れていない状況があると感じています。 昨年の3月議会でも取り上げましたが、このような状況を打開する鍵が、私は、現在建設中の穂高北部児童館だと考えます。 御承知のとおり、穂高北部児童館は、児童館機能と児童クラブ機能が同時に発揮できる程度の広さと機能を併せ持った施設として穂高北小学校隣接し、校庭の南側に建設されております。完成後は、小学生が、学校の授業が終われば、安全に地続きの、この児童館の児童クラブに移動でき、館内の施設や小学校の校庭をも使って、自由に伸び伸びと放課後を過ごすことができます。 また、児童館の多くでは、就園前の乳幼児を持つ親子の交流や相談の場、子育て支援センターの機能も併せ持つとされていますが、どの児童館も手狭で、児童クラブ開設時は小学生であふれ、子育て支援センターの機能が果たされにくい状況ではないかと思います。 しかし、北部児童館は規模的に広く、相当の小学生の来場があっても、子育て支援センターの機能も、1日を通して確保されるものと思います。 今後も進む市内の少子化、女性の社会進出に応えるためにも、きちんとした児童クラブ施設は、今の時代には不可欠なインフラと捉え、この北部児童館をモデルとした市内の各小学校区への施設建設、必要な施設の改修整備などを進めていくべきだと私は考えます。 さて、財源の問題です。 このような子育て支援の施設整備には時代の要請もあり、私は、国の補助制度も期待できますし、補助残については、特に合併特例債の活用も可能かと思っています。 令和2年度末にまとめられた市の財政計画では、合併特例債の活用期限とされている令和7年度まで、現状の計画に沿い特例債を活用していったとしても、7年度末には、まだ41億円を超える額が残りそうだと見込まれていると思います。不要なものを造る必要はありません。ただ、財源が見込めるとすれば、児童館、児童クラブ施設は、今の時代だからこそ整備すべきインフラだと思います。 なお、3月議会での私の同様の一般質問に宮澤前市長は、「今ある施設の活用が効果的だとは思うが、児童クラブの施設の整備は、検討し直しの時期とも考える」とお答えをいただいています。多少前向きではあったんですが、そこで終わっています。この課題についての太田市長のお考えをお聞きしたいと思います。お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 児童館を中心にしました全市的な整備の考えの問題でございます。 御質問にございました穂高北部の児童館建設、これにつきましては、現在利用している児童館の老朽化に伴いまして、利用者の安全確保を最優先としたものであります。そのほかの必要とされる児童館の建設につきましては、今後も継続してまいりたいと考えております。 また、児童クラブにつきましては、拡充に努めた結果、令和3年度には、堀金児童クラブにおいて5年生までの受入れ、令和4年度からは、穂高北児童クラブ、堀金児童クラブにおいて、6年生までの受入れが可能になったところでございます。 しかしながら、この児童クラブの拡充につきましては、特に6年生までの拡充につきましては、運営施設の確保が大変厳しい状況になっているのも現状でございます。この課題を拡幅するためには、まずは既存の社会教育施設等の活用、こういったものの検討も必要でございますし、今、御質問にございました財源の問題を含めて、もう一度しっかり検討して、その整備について考えてまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(平林明) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) 児童クラブの受入れ人数の拡充等については、一般質問でも御質問される方がいらっしゃいますので、そこは議論をしませんが、受入れの拡充を図るにしても、やっぱり施設の整備、それがきちんと整うことが重要だと思います。 ぜひ市長、今おっしゃったように、もう一度前向きに御検討をいただきたいと思いますので、お願いいたします。 ここで少し、私、議会の関係で申し上げたいんですが、令和元年10月に、市議会から市長、前宮澤市長宛なんですが、人口減少対策に関する提言書を提出しております。この提言書は、当時の市議会、福祉教育委員会が独自の視察や研修、また行政との協議などを重ねた上でまとめられたもので、人口減少対策に関係する2項目の市の子育て環境の整備を提言しています。 その1項目に、児童館における子育て支援拠点施設の強化があります。 内容は、見ていただいたかと思いますが、児童館を、ゼロ、2歳の子供とその家族がいつでも訪れ、安心して過ごせる場として常に開所に、そこでは子育て支援拠点施設として、家族が、子育て家族が交流したり、専門家からの相談やアドバイスを受ける機能、また、必要な場合は支援の大きなネットワークにも即座につながっていく、そういう仕組みを持たせてほしいという内容の提言となっています。 ソフト部分が今後の課題ではあると思いますが、おおむね、実はこの提言の内容を実現できる施設が穂高北部児童館であります。この北部児童館の建設事業が、この提言で動き出したとか、実現したとは申し上げません。先ほど市長の説明があったとおりですが、ただ、議会からの提言にも沿った形で、市の施設整備が進んでいることというのは、非常に意味深いことだと私は思います。 この例は、前市政での取組ではありますが、このような市議会からの提言と市の事業との関係について、太田市長はどのように捉えておいでか、お聞かせいただきたいと思うんですが、特に、現在の地方議会の流れの中では、いわゆる、議決や監視の、議会の機能の中でなくて、政策形成の機能を充実していこうという流れが顕著になっています。 安曇野市議会では、この紹介しました提言、今、申し上げた提言が初めてではありますが、先頃は、政策提案及び政策提言実施要綱というものを整備しまして、各常任委員会で、年1回の提言に向け努力をしていくこととしていますので、今後は市への提言も増えてくると思います。 独自の研修、視察、市の担当や関係の皆さんとの協議などを重ねた上でまとめられる提言ですので、大変重く、気持ちのこもったものと私は考えます。 ところが、その先、心配になるのが、受けていただいた市が、提言をどのように扱っていただけるのかということです。難しい質問かとは思いますが、この点につきましても、ぜひ太田市長のお考えをお聞きしたいと思いますが、お願いできますか。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今、議員の質問の中にございました令和元年10月の政策提言につきまして、私も読ませていただいております。 また、質問にございましたように、その提言の中の、特に、児童館等における子育て支援拠点施設の強化というところが、今回の穂高北部の児童館建設と、ほぼ一致しているという状況も認識しております。 市議会は、その基本条例に基づきまして、調査研究、視察等を行って、議会全体の総意での政策提言を行っていただいておりまして、その持つ意味は極めて重いと私は思っております。 よく言われることでございますが、議員も市長も、ともに選挙によりまして市民の負託を受けたものでありまして、議会と市長が対等な立場で市政の運営を行う。その使命と責務は重大でありまして、あたかも車の両輪のようにそれぞれの使命によりまして、市民の皆様の負託に応えるべく努力をしていかなければならないと思っております。 そういう意味におきまして、市といたしましても、議会からの政策提言につきましては、その趣旨を尊重し、対応を検討してまいります。 特に、財源問題をどうするかというのが大きなポイントだと思っておりまして、これは、市議会からの提言があった場合には、市として、その財源につきまして含めて検討して、対応してまいりたいと考えております。 ○議長(平林明) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) また、筋の通ったお答えをいただきました。 では、この項目の最後にちょっとつけ加えさせたいんですが、2項目あると言ったんですが、もう1項目は、最終の一般質問で、同じ会派の同僚議員が行うようになっておりますので、この辺もぜひお聞きいただきたいと思います。 最後の質問であります。 期待したいハード事業の2番目です。これは、新市立博物館です。 市には、合併から10年目の平成27年度にまとめられた安曇野市新市立博物館構想、今、構想として省略して申し上げますが、が、あります。太田市長とは旧知の間柄ともお聞きしておりますが、現在、県の歴史館、特別館長をお務めの笹本正治先生に策定委員長をお願いし、識見を持つ皆さん方の1年にわたる検討を経て、まとめられた構想であります。 笹本先生は構想の冒頭で、策定委員会が議論の中でたどり着いた博物館像として、市民とともに活動する博物館、安曇野の文化を守り伝える人材を育む博物館、学びの和を広げる博物館の3点を掲げ、当時、市にあった幾つかの博物館的な施設については、「資料の保存に適さない施設や老朽化した建物が多く、将来を見通したときに、長期にわたって安曇野の文化を守り伝える拠点となり得ない」とし、施設の統廃合や、その統廃合、進んでいます。「施設の統廃合や収蔵資料の活用方針についての議論の上、研究者の減少を憂い、地域を愛する人材の育成が必要だ」とし、最後は、「安曇野の人々が伝えてきた様々な遺産を守り、安曇野の文化を育てる拠点として、市立博物館の新規建設を提言する」と結んでいただいております。 まず、太田市長に、この構想についての評価といいますか、感想といったものがありましたら、まずお聞きしたいと思います。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 議員、御質問にございましたように、県立歴史館の笹本館長につきましては、私が県の副知事にいたときに、笹本館長に個人的に特にお願いいたしまして、歴史館の館長を務めていただきましたので、その際の、この市立博物館の建設構想についてはお聞きをしておりました。その中身につきましては、本当に評価すべきものという具合に思っております。 安曇野の豊かな自然というのは、人々の歴史と、それから民俗や芸術等の文化を育む、こうした素地でございますし、多くの先人が輩出されまして、公立、私立を問わず多くの美術館、博物館、あるいは記念館、こういったものが存在するのも、安曇野の豊かな風土に裏づけられたものと考えております。 その中におきまして、この構想は、博物館の活動を通じて、安曇野の文化やその魅力を再発見してもらうということで、地域の活性化や観光振興に活用し、また、市民相互の一体感をつくり上げる等の内容が盛り込まれております。 このような基本的な考え方、まさに私の目指すところと一致するものという具合に評価しております。 ○議長(平林明) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) お聞きした上で、さらに質問を進めてまいりたいんですが、この提言にあるように、その後、関係施設、関連施設の統廃合とか、大分資料の見直し等が、現場では具体的に行われてきていると思います。 ただ、やっぱり市長がおっしゃるような豊かな自然、近隣でも博物館構想というんですか、建設等が進んでいますが、やはり豊かな自然をきちんと捉えた博物館構想というんですかね。そういったものは、なかなか近隣ではないんではないかなというふうには思っております。 そこで、建設という方向で少しお話を進めさせていただきたいんですが、この構想が出されて、しばらくは私も、この構想の方向で市立博物館の整備が進むこととなるのだろうとの思いでしたが、その後は動きが見えてきません。 心意気高く、5町村が合併して誕生した安曇野市ですが、なかなか一つの流れにならないと感じる市民も多いようで、残念ではあります。安曇野市民としてのアイデンティティーというんでしょうか。自分たちが生きているこの土地のことを知り、誇りに思い、ここに生きていてよかったと思える気持ちを、市民が連帯的に、自然と感じることができる時代が来てほしいと思います。 今、市長、自らの思いとこの構想が同じだというお話がありましたが、やはりこういった時代にする、時代を呼び込むためにも、市民の皆さん、特に子供たちに、この土地の歴史や自然の豊かさ等を、正しく丁寧に伝えるための施設は必要ではないかと思います。 市立博物館の建設ですね、この構想に沿った形での新規建設整備を、ぜひ太田市長には御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 新市立博物館構想におきましては、その建設の時期でございますけれども、構想策定から15年から20年後、令和にいたしますと令和12年から令和17年頃を目途に、新市立博物館の建設をするということが提起されております。 新市立博物館の在り方につきましては、今、御質問にもございましたように、豊かな自然とか、あるいは先人たちが培った田園、歴史、文化など、安曇野の風土に根差したものを目指したいというふうに考えております。 このような博物館像を実現させるためには、統括的な基幹博物館、あるいは収蔵庫の整備がまさに必要であると考えております。ただ、これに関わる費用の問題がございまして、これにつきましては、今ほど申し上げました構想策定の目途も念頭に入れながら、財政負担に配慮しながら検討を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) 令和10年から17年というのは、かなり先になりまして、その間、中だるみというか、全く頓挫して進まないというような状況が醸されているんではないかという、ちょっと私はその不安があります。 きちんとその先を見据えて計画的に、いろんな作業が進んでいくということであればいいかと思うんですが、そこを憂う、もう少し早くできるものならやっていただきたいなという気持ちは、私にはあります。 今、費用という話を、市長、おっしゃいましたが、この課題でも、やはり財源の問題がハードルとして立ちはだかることを私も承知をしております。 ただ、御承知のとおり、先ほども申し上げましたが、近隣市においても新博物館建設が着々と進められており、また、建設の検討が始まった市もあります。どこの自治体も、財政的に特別豊かではないと思いますので、それぞれが果敢に戦略を練っての対応だろうと理解しますが、安曇野市の場合はどうなのか。 もし、構想に従い10年から17年ということなんでしょうか、もう少し早くできないかなと、私は気持ちあるんですが、10年から17年でもいいんですけれども、その新市立博物館建設に取りかかるとした場合の財源などについては、何かお考え、戦略といったものはお持ちなのか、今までの流れで申し訳ありませんが、太田市長にお聞きしたいと思います。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 本当にこの市立博物館、できるとすれば私も大賛成なんですが、まさに財源の問題がございます。 これは長期計画の中では、まだ、この博物館に関する財源というものは明示されておりません。したがいまして、幾つかの、先ほどあった特例債の期限はその前に切れてしまうわけでございすけれども、ふるさと納税の問題でございますとか、他の増収を図る問題。それから、様々な多機能な要素を持つことによって可能な補助金はないかとか、そういった問題も考慮しながら進めていかなければいけない問題だという具合に思っております。 一方で、実質的に、市立博物館が担うべき様々な、例えば学校ミュージアムの問題でございますとか、アウトリーチにつきましては、結構高い評価を既に受けているところでございまして、そういう意味でいきますと、ソフト面での充実を図りながら、一方で、このハードの博物館の建設も視野に置きながら考えてまいりたいと思っております。 いずれにしましても、その財源の問題をクリアしないとなかなか前に進めないというのは、正直な話、事実でございます。 ○議長(平林明) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) 今、市長の答弁の中で、ソフトの充実という面のお話がありました。 私も、今の安曇野市の職員、特に学芸員の皆さんの施設等を見させていただく中で、大変充実した状況が今あるかと思います。確かに、ハードとは別の部分で、じっくりきちんと学芸作業を進めていただいて、新市立博物館の建設に向けての準備は着々と進めていただきたいとは思います。 ただ、どうしても立ちはだかるのは建設についての財源だと思います。以降、私が、これ以上答弁は求めませんが、実は当初は、先ほど市長もおっしゃった合併特例債の活用を御提案しようかとは思っておりました。 ただ、今、お話にもありましたように、活用期限があと4年ですか。繰越しを考えたとしても5年。令和7年度までですので、新総合体育館のように大車輪で取り組むなら別かもしれませんが、慎重にきちんと準備をしてということになりますと、なかなか難しい。冒頭から、合併特例債を活用したらという難題を押しつけるのもいかがなものかとの思いで、この話は差し控えさせていただきました。 ただ、合併特例債というのは、博物館建設ではなかなか特定のいい財源がない。その中で合併特例債というのは、かなり貴重で、期待したい大きな財源ではあると思います。 先日、さきの衆議院選挙で、互選ですか、果たされた、務台衆議院議員に会う機会がありましたので、その節、私がざっくばらんに、「務台先生、地元のために得意とするところで、合併特例債の期限を、もう5年ばかり延ばしてもらうわけにはいかねえかいね」という話をしました、率直に。そうしたら、そのときに率直にお答えが返ってきました。「ああ、いいんじゃない。前回は東日本大震災で5年延長だったけど、今回はコロナということかな。やってみますか」という非常に率直なお答えでびっくりしたんですが、もし、この務台議員の言われるように、特例債が残っている市町村はそんなに多くはないでしょう。 ただ、地域の経済回復、経済の振興とかで、そういったものに非常に資する財源だと私は思っていますし、現政権が、決してそういったものは見逃さないだろう、そうすると、かなり実現性はあるんではないかと思っています。 もし、これが実現したら、安曇野市のまちづくりは、太田市長の下で、ますますさらに豊になるものと期待したいと思います。 以上で代表質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(平林明) ここで、昼食のため暫時休憩いたします。 再開時間は午後1時ちょうどからといたします。 お疲れさまです。                             (午前11時47分)--------------------------------------- ○議長(平林明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。                              (午後零時59分)--------------------------------------- △発言の訂正 ○議長(平林明) ここで、赤澤農林部長より発言を求められております。これを許します。 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 先ほど、宮下議員の荒廃農地を利用した太陽光発電の御質問の中で、荒廃農地の有効活用として、区長調整や広報等で知らせる必要についてどうかという御質問に対するお答えの中に、特定開発の手続等とお答えをいたしましたが、太陽光パネルの下で営農を続ける場合につきましては、土地利用条例に関わる特定開発の手続は必要ではありませんので、訂正をさせていただきます。 ○議長(平林明) ただいまの発言訂正については、議長において許可いたします。---------------------------------------増田望三郎 ○議長(平林明) 続いて、会派、無会派。持ち時間は25分以内といたします。 代表、増田望三郎議員。     (15番 増田望三郎 登壇) ◆15番(増田望三郎) 15番、増田望三郎です。小林純子議員、橋本裕二議員、増井裕壽議員、そして私の4人から成る会派「無会派」の代表として、通告に従い代表質問いたします。 なお、議長了解の上、資料を配付しております。 初めに、会派、「無会派」という分かりにくい名称について、少し説明いたします。 議会運営の要衝となる議会運営委員会、通称議運は8人で構成されます。その配分は、会派ごとの人数の案分で決められますが、会派を組まない無会派は、3人以上、何人になっても案分されず一人のままです。しかし、これが会派を組んだ途端に、人数応分の枠が与えられます。このような会派優位の議会運営は、議会の構成員としての議員は、法律、条例など法の上で完全に平等であるとする議員平等の原則から外れていると考えます。私たち4人は、当初、会派に属さず無会派でスタートしようとしましたが、同じ4人でも会派を組めば議運参加枠が2人になるということで、便宜的に、今回、会派を組んだものです。会派名の無会派は、この議会運営への反意を込めたものです。どうぞ御理解ください。 さて、本題に入ります。 12年の長きにわたった宮澤市政が終わり、太田新市長の下、安曇野市政がスタートしています。時を同じくして、我々市議会も新たな構成となり、市長と善政競争、すなわち善い政治の競争ですね、これができる議会にしていきたいと思っています。 今回は代表質問ということで、微に入り細に入りという質問ではなく、我々の観点から市長の施政方針を尋ねる内容となります。市長、今日は楽しみにしてまいりました。どうぞよろしくお願いします。 最初は、市政運営の理念や考え方について。市長は市政運営に当たり、どのような理念やお考えをお持ちでしょうか。少し大味な質問で恐縮ですが、お願いいたします。
    ○議長(平林明) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) 私の最初のといいますか、公約のときのキャッチコピーは「住んでよかった!ゆたかな安曇野」という言葉でございました。それを実現するため、市民の皆様と一緒に汗を流すということを申し上げてまいりました。具体的には、市民と自然、田園風景を守り、教育・文化で活躍できる場をつくること。また、未来へ向かって躍進する力強い産業を興すこと。これらを確実に進めることで、市民の満足度を向上させることができるというふうに考えております。また、自分がよいまちに住んでいることを実感し、外に向かっても、より一層、安曇野を誇れるようになること。これが私の理想でございます。 以上でございます。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 政治家として大事にしている信条、どんなことでしょうか。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) うそをつかない・誠実だということだと思っています。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 私の議員活動も3期9年目に入りました。これまでも議会で様々な提案をしてきましたが、行政側からは、行政の公平性、平等性の観点で実行は難しいと、そういうふうに答弁されることもありました。確かに行政は、法や条例を根拠に、公平、平等であるべきなんですけれども、それが縛りとなって思い切ったチャレンジをしない、そんな印象が私はあるんですね。もっと思い切って特色を出していこうと。この特色を出すという点で、行政内部からどんどんアイデアが出てくればいいんですが、これどんなものでしょうか。 一つの手法として、民間の力をどのように引き出すかという観点も大事だと思います。特色を出すこと、さらにそのための官民連携について、市長のお考えをお聞かせください。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) まず、公平性、平等性の問題でございますが、これは行政サービスを考えた場合には、市民に対する行政サービスの提供という上では原則であるということで、堅持したいと思っております。 市民の皆様に、先ほど申し上げました、住んでよかったと実感していただくためには、安曇野に対する誇りがベース、基礎になると思っています。このため、地域の一体感の醸成というのは、今後も大切に取り組んでまいりたいと考えております。 一方で、5つの地域を全て同じ色に染めることは、必ずしも必要ではないと考えております。合併前の5つの地域には、個性ある文化や歴史、特徴ある産業がございまして、それぞれの住民がそれを誇りに思って暮らしているというふうに考えております。私は、この5つの合併前の地域が、個性を生かしながら、全体として安曇野の発展の方向に大きな流れとして進んでいけば、安曇野の価値が一層高まるものと考えております。 今、御提案のございました官民連携でございます。今、安曇野市でも進めております「信州やまほいく」、あるいは信州大学、松本大学との連携事業においても、それぞれ官民連携の取組を進めております。公約に関わるものでは、観光面では、民間事業者や観光協会との連携を強めていくようお願いをしておりますし、指示もしております。また、文化芸術の振興につきましても、公立美術館のみならず民間美術館との連携が、これまさに必須でございまして、先ほども、午前中に答弁いたしましたサテライトキャンパスも、大学との連携、協力が必要となります。また、安曇野を舞台としましたドラマ等の招致、これにつきましても、民間の理解がないと進まないものと考えております。官民連携、大変重要でございますので、私が今までいろいろ御縁をいただいた方々と御相談もしながら、様々な方面の方々にお声がけをしていきたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) アート系の大学のサテライトキャンパスを安曇野でというようなあたりは、本当に新しいアイデアで、ぜひ注目したいところなんですね。官民連携が本来目指すところというのは、市としても、もっとこの政策を強く推し進めたい。しかし、行政にはそのノウハウや人材、それを進めるプラットフォームがない。そこで民間と組んで、より強く特色を出していくということだと思うんです。これまでも民間活力ということを前市長も言っていたんだけれども、単なるコストダウンやアウトソーシングではなくて、新しい価値を積極的に生み出していく、そういう意味では、先ほどのアートのサテライトというのも、そういうことだと思うんですけれども。そういう官民連携ができるバージョンアップした行政になっていくことかなと思います。市長に大いに期待するところです。 市長はそういうお考えをお持ちなんだけれども、それが、市の各部署の職員の皆さんレベルで、そこがそういうふうになっていくために、職員のやる気を引き出すということも含めて、市長が職員全員にアイデア段階からでもいいので意見を出すようにと。先ほどの答弁ですと、300ぐらいの意見が出たという話もありました。これもすばらしいなと思っていて、私も普段、職員の皆さんとおつきあいしていて、とても皆さん真面目で、余計なことはあまり言わないで、なかなか私、もうちょっとこしょぐりたいところがあるんですよね、そういう人たちを。でもそうやって、発して意見が出てくることはすごいいいことじゃないかなと思うんですけれども。ちょっとだけ、どんな意見が出てきたのか、その中に新しいチャレンジもあったんじゃないかなと思うんですけれども。その辺ちょっと聞かせていただきたいのと、そういう意見が出てきて、市長は、どんなチャレンジをするのか、お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 全員から意見募集ということで、これは考え方といたしましては、まず、私が発案する改革ではなくて、職員の皆様の、自分たちとしての意思を尊重したいことが第一でございまして、職員の皆さんから、現状をこう変えたい、こうしたらどうかという提案、こういったものを市長として受け止めることによりまして、職員のモチベーションを高めたいというのが、その第一の理由でございます。 提案することによって、やる気を引き出すための大きなツールであると考えておりまして、先ほど申しましたが、三百数十件、細かな数字は総務部長から申し上げればいいと思いますが、そんなに来ておりまして、人数的にも百七、八十人の方からいただいております。中身は個別にはまだちょっと申し上げにくいことがありますが、観光面でございますとか、あるいは農業関係の話でございますとか、様々な分野からいただいております。それは今、所属している部署に必ずしも限らない意見だという具合に受け止めております。 それから、私としてのチャレンジでございます。これは、チャレンジそのものは、先ほど申し上げました公約の実現だという具合に思っておりますけれども、今までの枠組みから少し変えたことをあえてやろうということもございまして、これについては、もう少し市の状況を見極めつつ考えてまいりたいという具合に思っておりますが、私のチャレンジとしては、「住んでよかった!ゆたかな安曇野」の実現のためにどういうことをするかというのが、私のチャレンジでございます。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 職員の皆さんが、本当にそうやって意見を発して、そして自分が提案したことが市の総意となって政策にもなっていく、そうやって市が変わっていくという、そういう手応えを本当に市の職員にも持っていただける方向を、ぜひお願いしたいと思います。職員の皆さんが元気になっていくのではないかなと思いました。 一方で、これをやりたいあれをやりたいということだけじゃなくて、行政の内部統制ということが必要で、次は、内部統制とコンプライアンスについてなんです。これは、市職員の資質向上と市政への信頼回復のための取組という観点からお聞きします。 5町村が合併し安曇野市となって16年、高度化、多様化する仕事に、なかなかまだまだ追いついていない状況があります。事例を挙げると、刑事処分に至るような職員の不祥事、職員の不注意による課税誤りや事務処理のミス、公金や個人情報の紛失、農地法に絡む住民訴訟に関連して県の行政指導や助言を受けたことなど、市政の信頼を損なうような事例も発生しています。また、市役所内で初めてのセクハラ事件が明るみになったことをきっかけに、様々なハラスメントがあるというようなことも、我々相談を受けています。 これらの問題は、市役所の組織文化が、まだまだ成熟し切れていないということだと思っています。不祥事やミスが発生した際に、事実を報告しづらくする、そういう組織内の空気、雰囲気がありはしないかと。市長は、新たにこの組織のリーダーとなられて、組織の内部統制やコンプライアンスについて、どうお考えですか。リーダーとしてどんな市役所にしていきたいか、どんな市役所組織にしていきたいか、職員に望むことも含めてお願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 内部統制から申し上げます。内部統制、市民から信頼される市政、これが大目標でございまして、組織内部で、まず自律的に管理統制を行うということ、その中で、職場の中で起こり得る諸問題、これをあらかじめリスクとして洗い出しまして、その対策を講じるということで、事務処理のミスとか不祥事の発生を未然に防ぐということが内部統制の根幹だと思っております。 その中において、業務を適切かつ効率的に行う手続のルールというのがございました。内部統制制度を適正に運用するには、その職員がその一環として作成されました規則、規程、マニュアル等を遵守する、適正な業務執行に努めるということが重要だと考えております。ただこれは、ただ単に規則や規程やマニュアルを遵守するのではなくて、それがなぜそういう具合にあるのかということを理解する。それが最終的には、公正な、市民に対する適切な市政としての効果を表すということを鑑みて、その上での規則、規程、マニュアルの遵守ということが必要だと思っておりまして、そういう意味で、職員が正しい知識を身につけてルールを適正に運用できるようにしてまいりたいと、そのためには、研修等の実施も含めて行ってまいりたいという具合に思っております。 もちろん、コンプライアンスにつきましては、当然これは、言い方はおかしいですが、公僕としての市の職員の責務でございますので、この点については徹底してまいりたいという具合に思っております。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) では、次は、ちょっと今度は視野を広げて、世界の中で安曇野をどう捉えるかという点について。これは、我が会派からは、ぜひこのことを聞いてくれという意見もありまして。国内のみならず国外にも安曇野をどのようにアピールしていくか、これは海外の駐在経験もある市長のお考え、特に今、多文化共生ということで、たくさんの諸国、海外の方たちが日本に向かってくる状況があります。多文化共生という点も含めてお考えをお聞かせください。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 安曇野というのは、全国的なブランドという感じになっているのか、なりつつあるのかというのは、ちょっとまだ明確ではございませんが、少なくとも名前は相当知られてきておりまして、その意味では、これをまさに名実ともに確固たる地位を築くためには、これからやるべきことはたくさんあろうという具合に思っております。 その中で、安曇野の持つ魅力というものを発信していけば、これは国内はもとより海外にも波及していくものと考えておりますが、そのためには、国内の知名度を高めるとともに、海外へのアプローチも必要だという具合に考えておりまして、今、様々なやり方があります。一例を言いますと、まずインバウンドでございます。今、ちょっとコロナの関係で、インバウンドは全く止まっておりますが、いわゆるゴールデンルートと呼ばれておりました、関西、京都から入って東京まで、しかも富士山を見ながら行くという、そういうかつての観光プランに対しまして、今、もう少し本当の地域、日本の本当の地方を知りたいという欲望が高まりつつあるところでのコロナ、ちょっと痛手なんですけれども。これは、コロナが収束してインバウンドが復活する際には、長野県としてもそのポテンシャルを生かして、大いにインバウンドの方を呼び寄せたいと思っております。 そう考えますと、安曇野の美しい景観や、あるいは美術、文化、芸術、こういった、特にまち歩き、これをやっていただきたいと思っておりますし、天蚕に始まる、あるいはクラフト体験、そういったもの、あるいは国営アルプスあづみの公園での自然観察など、体験型の、しかもこちらからもてなす観光というものをアピールしていきたいと考えております。 それから一方で、グローバルなと申しますか、安曇野市に住んでいる外国籍の市民の方々が安曇野に住んで、なるべく快適にお住まいできるような形にするのも非常に大切なことでございまして。実は、この10月から市内の福祉施設で働くというネパールの方が5人、そこの施設の長の方と私のところへお見えになりましてお話しをしたんですけれども。やはりまず、言葉の問題は彼らは相当勉強してはおったんですけれども、やはり風俗、習慣についてはまだ分からないし、あるいは、市がどういうことをできるのかということを、まだまだ知らないようでございましたんで、ぜひ、困ったことがあったら、身の回りの人とも相談し、市にも相談してくれというふうに申し上げたのですけれども、やはり、外国人の方にかかわらず、様々な方々、あるいは障がいのある方々、そういった方々が、皆さん、安曇野市で暮らせるということが、まさにグローバル化した安曇野市の目指す方向だという具合に思っております。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) では、まず1項目目は、市長の理念ということでお聞きしておきました。 これからは、幾つかの具体的な分野で質問をいたします。 まず、子育て議員も多い我々会派が、最重要で取り組んでいきたい子供の育ちや学びについてです。 文科省が示す学習指導要領では、主体的、対話的な深い学びという表現で学習の在り方を示しています。その実現のために、ICTも活用しながら、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく育成する個別最適な学びと、子供たちの多様な個性を最大に生かす協働的な学びの一体的な充実を図っていく、こんなふうに言っているんです。個別最適な学びとか、協働的な学び、これは文科省はこうやって道標となる理念を打ち出すんですけれども、それ自体は、本当に誰も否定するような内容じゃない、そこに向かいたい。でも、これをどうやって今の学校の現場で、今の体制で実現していくのか。これなかなか難しい難題、それは各自治体で取り組むところなんですね。 本市は、幼児期の育ちに自然体験や生活体験が欠かせないとして、自然保育を実践する民間の認可外園に補助金を出したり、公立認定こども園でも自然保育を推進する。今、地域おこし協力隊も2名入って、ブランドにまでしようと、そういう取組をしています。自然保育の育ちや学びの在り方は、主体的であり、遊びを通じて協働的な学びを体得するもので、まさに指導要領の中身そのものだと思うんです。それを、幼児期ではそうやって、安曇野市では自然保育でそういった部分を伸ばす。そういった子たちが小学校に上がっていって、さらにそういった要素を伸ばしたいわけなんですけれども、小学校に入った途端に、45分間、机に座って先生から教えられる、与えられる授業になってしまって、そこにギャップが生じていないかと思うわけなんですね。 そこで市長にお聞きします。本市の学校教育が、子供たちの内発的な意欲や自己決定、自分で選んでいく、決めていくという自己決定、そういったその生きる力を存分に引き出して培える学校教育になっているのか。また、個別最適な学び、要は一人一人に合った学びを用意していくということですよね。それを保障するために、特色ある学校づくりや学校の多様化を進めていく、これ必要じゃないかと思うんですよ。さっきの行政の平等性という話ありましたけれども、まさにここは多様化していく、子供が一人一人違うように、そういった持ち味、特色を生かせる学校にしていく、この点についてはどのようにお考えでしょう。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) まず大前提といたしまして、安曇野の子供たちというのは、将来の安曇野を担っていくということで、地域の宝とも言うべきものであります。その中で、子供たちの健やかな教育でございますとか学びの充実を図っていくということが、私たちの責務だと考えております。子供たちが行きたいとか学びたい、そういう特色のある学校であり、地域から必要とされる魅力のある学校を目指していくことが必要であろうと考えております。 今、教育委員会のほうで、たくましい安曇野の子供を目指す安曇野市立小中学校の将来構想案につきまして、パブリックコメントあるいは市民説明会での意見を踏まえて検討しているところでありまして、それは今年度中の作成であるという具合に伺っております。こういった、公約に「住んでよかった!ゆたかな安曇野」をテーマに掲げておりまして、子供の頃から地域のことを知り、郷土のことを知るということが一つ大事だという具合に思っております。また、産学官が連携いたしまして、子供たちが地域を知ったり、あるいは地域との人の触れ合い、地域の未来を考えるといった取組が必要であると考えておりまして、総合教育会議が12月に予定されておりますので、そこでも議論を深めたいと考えております。 あと、個別の個性について、これについては、一つには先ほど申し上げたような教育委員会の取組も必要でございますし、それと、これは結構学校の先生方の資質にもよるという具合に思っておりますので、その点については、教育委員会のほうからも何かお言葉があるかもしれませんけれども、私としては、形としての学校と、それからそこで働く、そしてそこで生徒に接する教師の皆さんの個性を大事にした基本的な考え方というものも必要だという具合に思っております。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 大事なテーマなんで、ここはまた次回以降、掘り下げていきたいと思います。 それで、ちょっと今一つ、あえて分けてしまったんですけれども、子供の居場所づくりについて、もし答弁を用意されていましたらお願いします。さっきも児童クラブ・児童館の話、出たんですが、私は児童クラブの拡充ということで、市民からも相談を受けて、いろんな行政の所管の方ともお話しをさせていただいて、本当になかなか難しいところで、答えを導き出さなきゃいけない状況があるなと思っているんです。受託されている社協さんもなかなか厳しい、施設も厳しい、そういった中で、本当に児童館だけで子供たちを見ていくというような在り方でいいのか。例えば、もっと子供たちの居場所というのは、地域の中に在るべきじゃないかなと思っているんですね。その地域の力を私は信じているというか、何かその点でも答弁がありましたらお願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 児童館、なかんずく児童クラブの整備については、今、市も取り組んでいるところなんですけれども。今、議員の中にもありましたけれども、地域でどうやって子供たちを育てていくかということも大きなテーマだと思っています。 正直言って、私の子供の頃は、私は旧堀金村でございますけれども、地域の中で子供たちが育つという状況がある程度あったような気がしております。それが今あるかどうか、これについては、ちょっと私も、すぐに断定はできませんけれども、例えば昔でございますと、地域の、例えば鎮守のお宮の境内とか、そういったところで、みんなが一緒に学年を超えて遊ぶような状況がございました。 あるいは児童クラブの中でも、それが一部今あるかもしれませんけれども、そういった学年を超えた子供たちの触れ合いでございますとか、遊び、学び、こういったものは、そのほかにも、さっき申し上げました地域の人々との触れ合い、こういったことによって子供たちが育っていくのではないかという具合に考えています。これは、実は、行政が手を出していい部分かどうか、ちょっと私もまだ逡巡しているんですけれども。本来でございますと、地域の皆様がそれぞれの地域の中で、そこの地域に育つ子供たちにどのように接していくかということを考えていただくの第一義ではないかという具合に思っております。 以上です。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 公というか、行政が求められるところがますます大きくなってくるような、そういう印象を持つ一方で、やっぱりその地域で、どう我が子を見ていくか、地域の方たちが見ていくかという、その投げかけは、私は市民の皆さんにしっかりとまたしていきたいなというふうに思っています。 では、次、広域連携。行政の皆さんと向き合うと、よく所管課や行政との境界を本当に厳密に守ろうとされていて、社会的分業という観点からはそのとおりなんですが、もうちょっと重なり合って情報共有し、相乗効果が生まれるように連携して仕事に取り組んでいただけないかなと思うことがあります。特に、地域的な枠を超えた広域連携のほうが、より効果が上がる分野、または広域的な取組が不可欠な分野があります。その一つが観光です。本市は、池田町、松川村と連携した観光パンフレットを作ったりもしているんですけれども、広域で取り組むことで相乗効果が高まり訴求力も高まると。 市長は、観光分野における広域連携については、どのようにお考えでしょうか。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 安曇野を観光で訪れる方が非常に多いわけでございますし、今、コロナでちょっと止まっておりますけれども、観光客を増やす、それが交流人口にもつながる、ひいては定住人口にもつながるということで。そのときに考えたときに、安曇野1市で多くの方を呼ぶというよりは、例えば大北地域、あるいは松本、こういったところとの広域で誘致をすることによって、いわゆる滞在型の観光に結びつけるものという具合に考えております。 既に、今も議員の質問にございましたけれども、北安曇郡の松川村とか池田町では、安曇野松川、安曇野池田という形での観光キャンペーンもやっていらっしゃいますし、また、松本市に編入されました旧梓川でも、自分たちのところを安曇野という形で農産物等の販売をしております。そういった意味で、安曇野という概念をもう少し広く捉えてもいいと思っていますし、また、そういった他の地域との連携がまさに必要であろうと思っています。 一例を挙げますと、信州まつもと空港地元促進協議会というのがございまして、これは私どもも入っておりますけれども、中信の4市2町8村入っておりまして、実は、私も副知事時代に、松本空港のターミナル会社の社長をやっておりましたので、このキャラバンに参加しまして福岡にも行きました。こういうところでは、相手方は一般の観光キャンペーンではなくて、まさに向こう側の地場の旅行会社と、こちらの観光関係の業者さんが直接それぞれで話し合いまして、ブースごとに。例えばその中で、安曇野宿泊施設への宿泊のためのツアーの提起とか、そういったことを話し合う場がございました。これはまさに広域ということで取り組めることだという具合に思っております。 それから、「安曇野アートライン推進協議会」。これは公立、私立にかかわらず、しかも北は白馬村までいって、様々な美術館、博物館で構成しておりまして、これも安曇野市、大町市、それから沿線の3町村ということで、約16施設の美術館が入っております。ここは、国営アルプスあづみの公園とのタイアップも含めて、イベントでございますとかスタンプラリーも取り組んでございまして、こういった取組というのは非常に大切だという具合に思っております。 このほかにも、「大糸線のゆう浪漫委員会」とかございます。いずれにいたしましても、こういった形で広域的な連携をする際、例えばJR東日本とのタイアップにしても、安曇野市一つじゃなくて、こういった広域でやることによって、中央線から大糸線に係るような、そういった観光客の誘致もございますし。そういう意味では、自治体が点でPRするのではなくて、広域で連携して面でPRするということが、今後もっと、コロナが収束した後出てくる、いわゆる地域間競争の中でPRする一つのポイントではないかという具合に思っておりまして。特に、観光で訪れる方は、見たい、食べたい、それから体験したいということを考えますと、一つの地域では難しいことも、その近隣の地域と一緒になることによって選択肢が多くなるということで、観光客の誘致に結びつくものという具合に思っているところでございます。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 広域連携、もう一つは水の問題です。安曇野の先人たちがこれまでずっと大事にしてきた水、我々が次代に引き継がなければならない水、これが今、危うい状況です。市長も御存じだと思います。地下水量が減っているとか、湧水量が減っていると。既に、地元のワサビ農家の方たちから切実な声を聞いています。対策として、本市は負担金制度の構築などを進めています。でも、それは本市に限ってのことなんですね。 お隣の大町市では、大手の飲料メーカーが地下水をくみ上げています。これは、大町市ということで、当然、負担金の制度の枠外になると。アルプス地域地下水保全対策協議会という広域の枠組みが、これもあるんですけれども、これは自治体間で温度差があるというような話を聞きました。この協議会でこそ、危機感の共有とか対策の取組の連携等、もう一歩突っ込んで議論していくところを、市長にリーダーシップを取って進めていただきたいですが、これについてお考えを。できれば、本市における地下水取水の総量規制の導入についても、お考えがあれば、安曇野の水を守るという観点で。安曇野の水じゃないですよね、この松本平の水を守るという観点で。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今、御質問にございましたアルプス地域地下水保全対策協議会、これは松本盆地の11市町村と、あと県も入っています。平成24年2月でございますので、もう9年くらい前につくったものでございまして。その中で、一昨年になります、平成31年2月、地下水の保全及び涵養に関する指針というものを策定しております、その協議会において。ここでは、地下水資源の保全、水質の保全、地下水の涵養等の取組、調査の実施、情報の共有と、5つのことについて推進しましょうということになっておりまして、例えば今年度は、水道利用調査、水田の利用調査、それから地下水利用実態調査といった調査を実施しておりまして、情報共有しているところでございます。 この中では、指針の中で、地下水は公共性の高いものという文句がうたわれておりまして、それを共通認識としておるわけでございまして、これは、この協議会での取組は今後も進めていきたいという具合に思っておりますし、必要に応じて、私も発言をしてまいりたいという具合に考えております。 それから、地下水の総量規制の問題、これなかなか難しい問題でございまして、今、即答できるようなことではございませんけれども。これは様々な利用者さんの関係でございますとか、もちろん私もワサビ農家の皆さんからのお話を2回ぐらい聞いております。そういった中で、地下水低下の原因というものを、まずどこに求めるかと、それを学術的にきちんとやらなければいけないなという具合に思っておりますし。実は、水田における水の涵養とか、その対策もやってきているわけでございますけれども、なかなか目に見えた効果が上がらないと。一方で、気候の変動のこともあって、これちょっと私も、実は担当の部局の、レクのときに考えて話しをしたんですけれども、信州大学なり、この地域の地下水についてしっかり研究している方から、もう一回、私は話を聞きたいという具合にお話ししておりますので、今後のそういった問題につきましては、それも踏まえた上で考えたいという具合に思っております。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) それでは、次の項目で、自立の取組です。 私は持論として、自立の2大要素は、食料とエネルギーの自給にあると思っています。これらを他地域に依拠する要素をなるべく減じていきたい。田園産業都市である安曇野市は、食については地域内の自給がある程度やれる、または取り組みやすいんじゃないかなと。一方、エネルギー自給については、これから取り組んでいく大きな課題だと考えます。 今年6月の定例会に、安曇野でも地域新電力、自治体新電力を起こして、エネルギーの自給を進めていこう。それにより、域外に出ていた電気代を域内にとどめて、経済循環を起こして、さらにはゼロカーボンを進めようと、そういう提案を一般質問でしました。当時の市長は、技術力、資金力、経営能力など、総合的にしっかりとしたノウハウを持った企業でなければ太刀打ちできない、軽々と手を出すべき課題ではないとの答弁でした。三セクで失敗した市の経験が、こういったチャレンジを慎重にさせるのかなと思いますが。 私はエネルギーの自給というこの課題こそ、新しい価値を創造するチャレンジとして、官民連携で取り組むべきじゃないかなと思っています。先ほどもエネルギーの話、太陽光パネル等の話も出ましたけれども、新市長に、エネルギーの自給、その手法としての地域新電力、または自治体新電力、これについてのお考えを伺います。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) エネルギーの問題、確かに、いわゆる地産地消というのは最終的な理想ではございます。これは特に、低炭素化を考えた場合には、地球環境を守るために必要なことで、いわゆる火力発電から再生エネルギーへの転換ということは、まさに命題だと思っています。 ただし、先ほどの中で、前市長が答弁した中にも、私も幾つかうなずけることがございまして、これはやはり、この問題は非常にノウハウが必要でございます。実は、県の企業局が、これ既に進めておりまして、「信州Greenでんき」プロジェクトというのを、幾つかやっておりますが。基本的には、水力発電でやっておりまして、これ膨大な初期投資が必要でございまして、企業債を発行して、数十年の計画でこれの償還を考えております。その間につきましては、一定の地域で供給することにより、もしくはこれを一回、電力供給会社に売ることによって、利益を得てやろうとしております。ですから、ある程度広い地域で、大きな、もちろん小水力もありますけれども、大きな投資をしてもペイするだけの地域で考えていかないと、すぐにはできないことじゃないかなという具合に思っております。 もちろん、もっと小さな意味での地産地消で、例えば、家庭で消費する電気を屋根につけたソーラーで賄うといったようなことは可能だと思っておりますけれども、地域全体でのエネルギーバランスを考えたときには、これなかなか難しい問題がございまして、これはすぐにできるということではないんじゃないかなという具合に、私も思っております。 そういう意味では、現時点での地域新電力というのは、なかなか難しいんでございますけれども、その中においても、ゼロカーボンの取組の中では、少しでも化石エネルギーから再生可能エネルギーへの転換ということについては、道筋を示していかなきゃいけないかなというふうに思っております。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) では、次に、市に活力を生み出すという点で、空き家の問題。 市も空き家の活用、空き家対策室がしっかりとやってくださっているんですけれども。私は空き家を活用して、スモールソーシャルビジネスを展開しようという提案をしています。スモールソーシャルビジネス、これ私の造語なんですけれども、社会ストックとしての空き家を活用し、初期投資はなるべく小さく、さらに地域ニーズに応えるソーシャルビジネス、これを組み合わせて地域課題の解決と活力を生み出そうという、そういう提案です。地域の人たちが集まるカフェや、福祉サービスが受けられる施設、先ほどの子供の居場所。こういったものを、空き家を使って、そういう活力を生み出す拠点に生まれ変わらせると、そういうことをもっともっとやっていけないかなと思っています。 市長自身も、公約の中で、空き家を活用したコワーキングスペースの開設というようなことを言われていましたかね。具体的な構想もあれば、それも含めて空き家活用等についてお考えをお願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 空き家の活用につきましては、今、議員がおっしゃったこと、私、全面的に賛成でございまして、私の公約の考え方もその中に入っております。 まず、空き家対策を総合的に進めるために、もちろん空き家対策室でございますけれども、まだ、横断的な、市政全般を見通した上での施策というのは若干弱いんで、午前中に申し上げました今後の組織改正の中で、そういったものを強化する方向で今考えたいという具合に思っています。 その中で、空き家というのは2つあって、1つは旧商店街の中の空き家、それからもう一つは、いわゆる田園地域の中にある空き家ということでございますけれども、いずれにしても、その中での優良な住宅ストックの利活用、これは先ほど議員がおっしゃいました初期投資を抑えるために必要だという具合に考えております。議員のおっしゃった、いわゆるスモールソーシャルビジネスについては、空き家の多様な利用ということで、県が進めておりますリゾートテレワーク、これまでちょっと安曇野市が実はポテンシャルがありながら取組が弱いところでございまして、リゾート地におけるテレワークという、まさに安曇野市にぴったりのコンセプトなんですけれども、そこをもう少し強めたいと思っておりますし、コワーキングスペースでございますとか、まさに議員おっしゃったような地域交流とか福祉施設とかあるいはゲストハウスとか、そういった形での活用が期待されているところでございますので、これにつきましては、もう少し力を入れたいという具合に思っています。 市内の様々なところでこんなような形で利活用が広まれば、そこの人の交流によりまして、1つは経済活動も活発化しますし、もう一個は、やはりその地域の愛着度や関心が高まるという、そういう2つの利点がございます。 私も訪問しましたけれども、明科駅前では、築60年の空き家がリノベーションで生まれ変わりまして、龍門渕てらすという形でシェアオフィスとかシェアキッチンなど、にぎわいの拠点になっておりまして、一つのモデルになろうかという具合に思っているところでございます。 こんな中で、先ほど申し上げました、市の体制も整え、民間の方々の協力を得て空き家や空き店舗の活用を促進しまして事業収益を上げるということで、持続的な活動、つながる仕組み、これをつくりたいと思っておりますし、先ほど申し上げましたように、それに伴って地域ににぎわいを創出するまちづくりというものを目指していきたいと思っております。 空き家を活用した地域活性化に取り組む個人あるいは団体等の支援について、在り方を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) それでは、最後の項目で、市民の政治参加について考えます。 選挙の投票率は、市民の政治参加の度合いを知る大事な数値です。それが、今回の市長選、市議選では約55.6%で、前回よりも7ポイントもダウン。新しい市長を決める市長選挙、若手候補者が多数出た市議会議員選挙、話題はあったにもかかわらずです。私自身も動画を含めてあれこれ発信に力を入れたんですよね。ところがこの数字、これ、結構かなりショックで、民主主義の崩壊の足音が聞こえるような、そんな気さえしました。 選挙管理委員会の会長、今日はありがとうございます。まず、選管が今回の選挙に関して、どのような総括をされているのかお尋ねします。お願いします。 ○議長(平林明) 竹内選挙管理委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(竹内勲) 安曇野市選挙管理委員会の委員長の竹内でございます。 まずは、ここで一番最初にお礼を申し上げたいのは、このコロナの時期にこのような大きな選挙を2つもやりまして、これも、ここの地にコロナを発生することなく無事に収めたというところに、皆さんの御協力がありましたことを厚くお礼申し上げます。 まず、さきの市長・市議選挙と引き続き執行されました衆議院議員選挙において、関係されました各区長さんをはじめ、関係の皆さんにも本当にお世話になりましたことを、再度お礼申し上げます。誠にありがとうございました。 さて、今回の市長・市議会議員選挙の結果についてですが、今言われましたように、前回29年度に比べまして、7%低下となっております。引き続き執行されました衆議院選挙でも4.7%の低下ということで、私ども選挙に携わる者として、大変残念な思いでおります。 投票率の低下につきましては様々な要因が推測されますが、明確な原因はなかなか特定できずに、今困っている状態でございます。今回は特にコロナの影響もありまして、投票行動の自粛、選挙運動の機会の減少、ここら辺が大きな要因の一つであったかと思われます。 しかし、全国的に見ますと、市長や議員の成り手不足のこの中で、無投票になる選挙があるとお聞きしております。安曇野市市議会議員選挙では、定数をはるかに超える28名の方が立候補し、その新たに立候補を表明した方が12名、30代、40代の若い方も多数立候補されたことは、多くの皆さんが市政に関心を持つきっかけとなりまして、大変意義あることと感じております。 一方、全国的な傾向もありますが、10代から30代までの若い世代の投票率は、全体の投票率やその他の世代と比較すると、低調な傾向にあると言われております。これら若い世代の方々に、将来有権者となる若年層への取組は欠かせないものと考えております。 これまでの私どもがやってまいりました取組の一例を申し上げますと、市内に4つの高校があるわけなんですが、近隣の大学生や専門学校生徒に期日前投票の受付事務を募集しまして、選挙を身近に体験していただく、また、中信4市合同啓発としまして、市内の4高校に投票方法を案内したり、リーフレットや啓発物品を配布いたしまして、授業で活用していただくというようなこともしております。 また、選挙意識の向上を図ることを目的に、広報あづみのに18歳未満の人を対象としまして、選挙クイズを掲載し、投票時に回答用紙を投票するという模擬体験もしてもらう取組を実施してまいりました。 このように選挙の参加の重要性ということについて、有権者一人一人によく認識していただきまして、自らの意思を投票で示すと、そういった政治常識の向上を図るため、啓発や選挙制度の周知に努めていくということが大事なことじゃないかなと思っています。 投票率を向上させ、維持していくことはなかなか厳しいことでございますが、地道な活動を通じまして、主権者意識の高揚が図られる取組を続けてまいりたいと思っております。 今回、コロナの選挙のところへ私どもも回りまして、その状況を見させていただいたんですが、例えばコロナ対策として、選挙を終わるごとに投票台をきれいに消毒するよということをやっていただきました。これにつきましては、選挙の委員の担当者ももちろんやりましたが、地域の皆さん、市役所の皆さん、みんなに手伝っていただいて、そんな行動をいたしました。 そして、さらには使った鉛筆を1本ずつ、使ったらまた集めて、また消毒して、次にお願いしますよというところをやったわけなんですが、こういうことが実際に若者にも見ていただいたときに、こんなところまで手を入れていただいているのかと、投票には参加しなきゃいかんなという気分には、少しはなっていただいたと考えております。 そんなようなことで、いろいろ努力しておりますが、今後もさらに分析しまして、本当に何をやればいいのかということをもっと検討してみたい、こんなように思っております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 今、大変御苦労されて、この選挙を運営していただいたということを会長からも聞きました。ありがとうございました。 我々も出たほうは出たほうでやっぱり大変だったんですけれども、運営をしてくださった方も本当に大変だったんだなということがよく分かりました。ありがとうございます。 配付した資料は、選管から提供いただいた4年前の市長選の年代別の投票率です。今回分を出したかったんですけれども、まだそれは確定したものがないということで4年前です。 これを見ると分かるように、10代、20代、30代、それぞれが全体の投票率よりも19ポイント、27ポイント、12ポイント低いということで、圧倒的に若い世代の投票率が低いんですよね。それは多分今回の選挙でも同じことが言えるんじゃないでしょうか。 投票率の低下の最大の原因は、やはり若い世代が投票に行かないこと、この改善はもはや選挙前だけの対策、小手先とは言いませんよ、今おっしゃったような内容、いろんなことをやってくださっているんですけれども、でも、やっぱり従来の取組では駄目なのかなと。何か思い切った手を打たなければいけないのかなというふうに、そこを本当にしっかりと向き合うときかなと思っています。 市長は、ここは市長にお聞きするんですけれども、シルバー民主主義という言葉を御存じだと思います。有権者全体の中で高い割合を占める高齢者向けの施策が優先される政治、投票率も若年世帯に比べてシニアのほうが高いため、政治家もシルバー世代優先の政治に向かうというものです。 そこで、その逆をやる。市長や議員、我々政治に携わる者たちが若い世代をしっかりと意識して発言や政策を立案していく、そのことで若い世代に政治に関心を持っていってもらえるようにする。 これ、具体的な例をちょっと挙げますと、愛知県の新城市というところでは、若者議会という、中学生以上の若い世代を、いわゆる若者議会の議員として位置づけて構成し、その世代からのまちづくりの政策立案・実行・検証をさせています。議会としての予算枠も確保され、権限も持たせた本気の若者政策なんですね。そういう中から、実際に市会議員になった人もいます。 こういった形じゃなくてもいいんですけれども、例えば若者の審議会とか、そういった何か若い世代の集まる市の仕組みみたいなものをつくっていく時期じゃないかなと思うんですね。または、次代を担う子供たちが政治の主体者だという自覚を持てるような主権者教育、ここに強く焦点を当てる必要があるかなと。市長のお考えを、2つね、若者へのアプローチ、そして子供たちへの主権者教育、この点お願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 2点の御質問でございます。 若者へのそういった働きかけでございまして、これは非常に難しい。というのは、昔のように青年団活動でございますとか、そういった若者だけが集まるという組織が今ほとんどなくなっておりますね。そうしますと何があるかというと、まさにソーシャルネットワークシステムでのつながりみたいになってきます。 そういった中で、特に安曇野の中での若者に対してどういった働きかけをするかというのは、もちろんユーチューブでございますとか、私もフェイスブックをやって話をしておりますけれども、やはりなかなか難しいところであると思っています。 その中で、若者に今関心も持ってもらうことは何かということになってくると、やはり自分たちが住んでいる安曇野というところが、まだまだポテンシャルがあって、自分たちがもっと成長して、10代の方、20代の方がそれぞれ30代、40代になったときに、こんな安曇野で、住んでいることが非常にいいことであるという認識をまず持ってもらうことじゃないかなと思っています。そのために今、自分たちが主権者の一人として市長なり市議会に投票する、あるいは国政に参加するという意識を持ってもらうということが必要だと思っております。 これについては、今ちょっとまだいいアイデアがすぐにはなかなかないというのが状況でございますので、これはまさに若い人たちとの話合いの中で、今どうやればそういった若い人たちが政治に対する関心を持っていただけるかということも、その当事者の意見を聞きながら考えていかなければいけないかなという具合に思っています。 それから、もう一つ、主権者教育、こっちのほうは、例えば広い意味での主権者教育の中で、納税の関係の教育でございますとかやっておりますし、あるいはこの前もここで開催されましたが、中学生議会の取組がございます。ああいったものの裾野を広げていくことが必要だと思っておりまして、これはまさに議会の皆さんとも連携いたしまして、そういった行政や議会を身近に感じられるという、そういう機会をつくっていくことが必要だと思っています。これは、また議会の皆様ともお話をしながら進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 若い世代に対してどうアプローチしていくかということで、実際に若い世代と話す機会というのは、ほとんど私も市長もなくないですか。私も二十歳の娘がいるんですけれども、今回の選挙に当たって、うちの娘の周りの子たちを集めて、オンラインですけれども、政治の話をしたんですよ。そうしたら、誰がどんなことを考えているか分かんないのに、そんな当てずっぽうで投票できないというふうに言って、だから投票に行かないというふうな。私、ある意味、それはすごく誠実で、我々政治に携わろうとする者たちが、自分たちがどういう考えを持って政治をやろうとしているということの発信が弱いからだと思ったんです。 今はそうやって若い人たちと対話する機会もない、実際に。我々議会もないし、多分市にもない。そこはもう本当に何が生まれてくるんだろうかという楽しみも含めて、若い人たちの審議会となるとちょっと大げさかもしれませんけれども、懇談会、懇話会みたいな形からでもいいので、市にも立ち上げてほしいし、議会でもそういうことをやってみたいなと思います。何せ考えていることが分からない限りは、政策の打ちようもないですよね。まずはそこの接するところをしっかりとつくるということをやっていきたいなと思います。 今も市長がおっしゃったように、市民の政治参加、これを行政だけでやってくださいというつもりは一切ありません。議員という仕事がどれだけやりがいがあって面白い仕事かと、これ、我々22人の議員一人一人が自分の言葉で発信していけば、議員の多様な顔ぶれが市民に伝わって、市政が身近になっていくと思うんですよ。開発に強い人もいれば、ソフト面に強い人もいる。こんなにいろんな議員がいて、じゃ、私のマイ議員は誰だろう、そんなように接する機会が我々にもないんで、議会としてももっとそこはしっかりと前に出ていく、そういう場をつくらなきゃいけないなと。高校生との懇談というのも、議長もお考えですけれども、その辺をやっていこうと思います。 今回はいろいろ聞きました。いっぱい話をしてまいりましたので、次回以降、一つ一つやっていきます。よろしくお願いします。ありがとうございました。---------------------------------------猪狩久美子 ○議長(平林明) 続いて、会派、日本共産党安曇野市議団。持ち時間は25分以内といたします。 代表、猪狩久美子議員。     (16番 猪狩久美子 登壇) ◆16番(猪狩久美子) 猪狩久美子です。 通告に従いまして、代表質問を行います。 最初に、大変申し訳ありません。字の間違いがありました。質問事項のところで、市長の施政方針の施政が間違っておりました。訂正をいたします。市民の暮らし向上、市政発展のための姿勢は、スタンスは行政の皆さんと同じですので、御理解をお願いいたします。 私ども日本共産党安曇野市議団は、毎年この時期、次年度の予算編成について予算要望書を提出しています。今年は11月8日に、市政全般102項目にわたる内容を市長にお渡しいたしました。昨年のコロナ対策に続き、今回はジェンダー問題、そして気候危機なども盛り込んでいます。 さて、市長の公約の中での質問をしたいと思います。 公約の中の守るのうち、一人一人に優しい市民社会の構築の中から、ポイントを絞って何点か伺いたいと思います。 医療費の無料化を18歳まで拡大するという公約がございました。私どもは、20年来、この子供の医療費の無料化については、運動としてやってまいりました。宮澤前市長も子供の医療費の無料化を中学3年までということで、最初の選挙に出られたときに公約に掲げていらっしゃいました。太田市長も公約で子供の医療費の無料化を、今度は18歳までにということでインパクトのある施策を打ち出しました。 私ども日本共産党安曇野市議団も、この予算要望としてこの問題を取り上げてきましたので、この政策を大変歓迎したいと思っております。この政策についての思いをまずお聞かせ願いたいのと、それから、このことに関連してですけれども、福祉医療費給付金については、市町村によって施策、対象が違ってきます。安曇野市では対象者は中学3年生までと、また身体障害者1級から3級まで、療育手帳A1、A2、1、2の方、精神障害者保健福祉手帳の方は1級、2級の通院のみ、そして、65歳以上で一定の障がいがある方というふうになっていまして、あとひとり親家庭など、これ以外で該当する方もいらっしゃいます。 平成30年12月議会に精神障がい者への福祉医療給付の対象範囲を拡大してほしい旨の陳情が出されまして採択されました。今年8月から2級の方の受診が全診療科に拡大されましたけれども、入院までの拡大には至りませんでした。近隣町村では、こういった方が、例えば塩尻市が精神障害者手帳1・2・3級まで通院、入院が対象になっていますし、身体障害者手帳の方は1級から4級までが対象になっています。 安曇野市として、福祉医療の範囲を障がい者全員に、入院を含めた拡大ということは考えないのか、このこともお伺いいたしたいと思います。市長、お願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 まず、福祉医療の受給資格要件、乳幼児ですね。これを、今現在中学校卒業までを18歳まで拡大する件でございまして、これは私の公約の一番最初に掲げました。やはり、お子様を持つ親御さん、この方が子供さんが病気やけがをしたときにお金の心配がなく、すぐ医療を受けられる状況にしてあげるというのが、やはりこれは基本だというふうに考えておりまして、その意味におきまして、高校卒業、18歳までということを今回掲げさせていただきました。 今、事務方で検討を進めておりますが、今後の予算措置も含めて、来年度の4月早々からはそれをしたいということで今、その検討が進んでいるところでございます。 それから、精神障がい者の保健福祉手帳の関係でございますね。 御質問にございましたように、今年の8月から精神障がい者の保健福祉手帳の2級の補助対象範囲、通院、全診療に広がったということは承知しております。県の今後の動向を注視しているところでございますけれども、市単独の財源で対応することになると、なかなか財源確保が難しゅうございまして、まずは、先ほど申し上げました18歳までの福祉医療の受給資格の要件、これを上げたいということが、今まず考えているところでございます。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 僅かな障害者基礎年金でやりくりしている方にしてみれば、食べること以外は後回しになってしまいます。こうした障害者基礎年金受給者のことを考えると、ぜひ前向きな検討をお願いしたいなと思っております。 それから、2番目の子供に対するインフルエンザ予防接種の助成についてですけれども、インフルエンザ予防接種の費用というのが、1回約3,500円ほどかかります。13歳未満は2回の接種が必要で、子供が2人、3人となると、家計の負担は大変大きいものがあります。ワクチン接種は発病予防にもなりますし、脳炎などの重症化を抑えることができます。しかし、接種費用の負担を考えると、接種を控えてしまうという方もいらっしゃいます。 私は過去の一般質問でこの問題を取り上げましたが、インフルエンザワクチン接種費用補助には至りませんでした。しかし、近隣の自治体でもそうですし、全国的には費用の補助が広がっています。 そんな中、令和2年12月議会に、安曇野市医師会から子供に対するインフルエンザワクチン予防接種への補助金を出してほしい旨の陳情が出されました。継続の後に、今年3月議会で採択となっています。市医師会は日頃から市民の皆さんの命と健康を守ることで大変お世話になっています。また、市とも連携し、夜間急病センターや新型コロナウイルスワクチン接種などでも力を発揮していただいています。こうした専門家からの要望が出されることはよほどのことで、市始まって以来のことです。 採択された陳情について、その後どのような検討がなされたのか。令和4年度の予算に反映されるのかを伺います。これは部長にお願いいたします。 ○議長(平林明) 鳥羽保健医療部長。 ◎保健医療部長(鳥羽登) それでは、インフルエンザのワクチンの予防接種の助成についてお答えいたします。 今、議員おっしゃられたとおり、令和3年3月議会において、安曇野市医師会より陳情のありました季節性インフルエンザワクチン小児予防接種の補助金事業の予算化についての陳情、これが採択されております。これを受けまして、担当部局として調整をさせていただいております。 助成を実施する場合、多額の一般財源が必要となってまいりますので、現在、助成金額、それから対象範囲等を、他市の状況を参考にしながら、実施に向けた検討を進めさせていただいております。 以上でございます。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 検討されているということですけれども、来年度予算ですと、来年のシーズンの対応からとなってしまいますが、今シーズンに間に合うような形で、この12月補正とか、そういったことはもう全く考えてはいないということでしょうか。 ○議長(平林明) 鳥羽保健医療部長。 ◎保健医療部長(鳥羽登) 申し訳ございません。ちょっと12月補正では、今回計上させていただいておりません。新年度予算に向けて、今、財政部局と調整中でございます。よろしくお願いします。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 補正にはもちろん計上されていませんが、追加もないというふうに理解しました。 次に、2番目の子供にかかる国保税の均等割についてお伺いいたします。 国保は加入者の所得水準が低いとか、それから年齢構成が高い、それから医療費水準が高い、協会けんぽなどと比べても保険料の負担が重い、市町村格差があるなど、構造的な問題が指摘されてきました。市民の皆さんも、国保税はもう高くて払うのが大変という声をよくお聞きします。 今回は収入のない子供にまでかかる均等割についてお伺いします。 国は国保税、国保料、安曇野市は国保税ですよね。国保税の未就学児の均等割を5割軽減する制度を来年4月から始めます。安曇野市では、対象となる未就学児は、この10月末現在で382人ということです。この人数は前後すると思いますが、安曇野市の均等割の医療分は2万400円、支援分は9,600円、合計で3万円となります。7割軽減対象の未就児の場合は、残り3割の半分を減額するので、8.5割軽減となり4,500円、5割軽減対象者は7.5割軽減となり7,500円、2割軽減対象者は6割軽減となり1万2,000円、それ以外の軽減対象とならない方の5割軽減は1万5,000円というふうになります。 国の未就学児までの軽減では、子育て支援としては不十分として、対象年齢を拡大する自治体もあります。例えば北海道の大雪地区広域連合は、今年度から国の制度に先駆けて18歳以下の子供の均等割を2分の1に減額しています。こうした取組は全国的に広がりつつありますし、全額減免という自治体も出てきています。子育て支援をさらに充実するために、市独自にさらに減免の年齢を医療費の無料化と併せて18歳まで拡大する、あるいは全額免除するなどのお考えはありますでしょうか。市長にお願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 御質問のございました国民健康保険税のうち、未就学児に対する均等割課税の2分の1軽減、これにつきましては、来年4月1日からに合わすために、市議会の3月定例会に市として改正を上程する予定でございます。今申し上げました軽減額にした場合には、国が2分の1、県と市がそれぞれ4分の1ということでございまして、加えて市の負担分には地方交付税の措置がございます。 そういった状況の中で、今、議員からお話のございましたような市独自の軽減措置をやった場合には、基本的にはそれは一般財源からになりまして、そういった意味で、今すぐにおいてこの軽減措置を市として単独でやることは、ちょっと難しいかなというふうに考えております。国に対しては、全国市長会を通じて強い要請を行っておりまして、引き続き要請を行ってまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 分かりました。 それでは、3番目の「障がいのある子供たち、不登校の子供たちのための施設運営を支援する」、こういったものが市長公約にはありました。施設運営をするということですけれども、民間の施設を指しているのかと思いますが、具体的にはどのような施設にどんな支援内容をお考えなのか、市長にお伺いします。 また、ひきこもりなどについての支援体制、今整いつつあるかなとは思いますけれども、この状況について、部長にお伺いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) お子さんの成長過程において、適切な時期に適切な教育と支援を行うことは大変重要だと考えておりまして、その中で、特に発達支援を必要とする子供たちの早期把握、相談というものは市でもやっております。その中で、支援が必要になりました児童につきましては、児童発達支援所あるいは医療機関につなげているところでございますけれども、市内では足りなくて、近隣市町村の発達支援事業所を利用している児童もいると承知しております。 児童発達事業所の市内での新規開設を支援するため、令和2年度から安曇野市児童発達支援事業所運営補助金を設けておるところでございます。私自身、市内の児童発達の事業所につきまして、もう選挙に出る前に訪問してお話を伺っております。そういった中の実情を伺っておりますので、そういったことも踏まえまして、今後さらに補助金制度の充実も含め検討してまいりたいと考えております。 ○議長(平林明) 矢口福祉部長。 ◎福祉部長(矢口泰) ひきこもりの支援体制についてでございます。 市では、以前からひきこもり対応推進事業といたしまして支援体制の整備を進めてまいっております。今年度は市の相談窓口に加えまして、相談支援、訪問支援、居場所支援を委託事業として支援の間口を広げております。 委託事業では、現在、相談窓口を2か所、訪問支援を1事業所、居場所支援を1か所で行っております。支援体制の強化を図っております。 4月以降の実績といたしましては、新規相談者が23名、訪問支援を受けている方が延べ96名となっております。そのほかに後援会、家族交流会での支援の裾野を広げる取組、それから、複数の専門機関を含めた庁内外の関係機関の連携会議を開催しまして現状の把握を行っているところでございます。 これからも切れ目のない支援を継続できるよう、関係機関と連携して支援を行っていきたいと思います。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 施設への支援ということですけれども、これについては何か制度を新たにつくって基準を設けるなりして支援をしていくということになるのでしょうか。財政的な支援も含まれるということでよろしいんでしょうか。市長。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 詳細は検討中でございますけれども、今ある制度で、例えば先ほど申し上げました運営等補助金については5年間で逓減していくということで、1年で50万が最初の年度、5年目では10万円という、そういう仕組みになっておりまして、これらも含めてどういったほうがいいのかということを今検討してまいりたいと考えております。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 分かりました。 それでは、今お答えいただきました。市長もおっしゃっていました、発達段階で適切な教育支援というものをやっていく必要があるという、特性に応じた支援体制が必要だというふうにおっしゃっていただきました。幼児の段階からの支援体制というのが、大変その後の発達に大きな影響を与えると思います。そして、また、幼児だけでなく、家庭環境にも配慮しなければならない状況もあります。民間でなくて公立認定こども園、幼稚園の中でも障がい児に対しての加配の保育士などを充てて、集団体制の中で支援をしている状況もあります。 しかし、なかなか体制としては厳しい状況も伺っていまして、園長先生までがその支援に入らなければならないような状況もあるとお聞きしています。市長は職員の皆さんからのいろんな提案とか御意見などを聞きながら市政運営をされるとおっしゃっていましたので、直接やはり現場に関わっている声をしっかり聞いていただきたいと思っております。民間への支援はもちろんですけれども、そうした足元からの改善や支援体制、これをぜひ強めていただくように望むものですが、その点について、もしお考えがありましたらお願いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 御要望は承りました。 以上です。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) それでは、多くの子供たちや市民の継続要望もむなしく、廃止となった穂高プールについてお伺いをいたします。 海を持たない我が市の市内唯一のプールが廃止となりました。安曇野市の魅力の一つが消えてしまいました。とても残念で悔しい思いでいっぱいです。ウォータースライダーや流水プール、25メートルプール、ちびっこプール、幼児プールなどを備えた屋外プールは、近隣自治体にはなく、子供たちの夏の居場所、大人も子供も障がい者も心と体を開放して過ごせる安心・安全な場所でした。 学校では夏のプールの開放がなくなり、さらに、コロナ禍において、行動に制約がある中、貴重な施設として存在すべきでした。子供たちからは、夏の楽しみがなくなってしまう、せっかくの夏なのにどこで遊べばいいの、市民の方たちからも、プールがなくなって、もうとても残念だね、10万都市にプールがないなんていうのはおかしいよね、何とかならないかねというような声も寄せていただいています。 市長はこのプールが廃止になったことについて、どのような思いをお持ちなのかお伺いいたします。また、市営プールの必要性についてはどのようなお考えがあるのかもお伺いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 穂高のプールでございます。 多くの利用者から愛されてきた施設であり、それの廃止を惜しむ声もあることは承知しております。私自身も子供が小さなときは、行って何回も利用いたしました。 ただ、一方で、穂高プールにつきましては、その利用期間が2か月程度に限られていること、それから、平成元年のオープン以来34年の年月が経過し、施設自体が老朽化が進んでいたということがございました。それらを踏まえまして、平成30年12月議会の議決において、廃止を決定したものであります。 穂高プールは利用者で申し上げると、年数を経るごとに減少する傾向にございました。それを考えますと、単純な予測はできませんけれども、新たに建設するとなりますと、その用地の取得、あるいは建設費を考慮すると、現時点ではプールの施設は困難であろうというように考えているところでございます。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) とても残念なお答えです。確かに新設となると、多額の費用もかかります。夏の子供たちの居場所として、また、別に考えていかなければならないと思っています。 学校のプールの開放ということについても、福祉教育委員会からの提言などもございます。また、ぜひこうしたプールということで、親水公園ではなく、プールということでぜひいい方策があれば、共に考えていきたいと思っております。 次に、生理用品を公共施設トイレ、学校のトイレに常備することについてお伺いをいたします。 コロナ禍において、急速に、しかも世界的に大きな問題となりました生理の貧困ですけれども、全国的にも各自治体が防災備蓄品として備えておいた生理用品を手に入れることが困難な方に、無料で提供することを始めました。安曇野市も、5月から本庁舎の男女共同参画の窓口、健康支援センターに、必要な方にサニタリー用品をお配りしていますのカードを置き、そのカードを差し出すことで生理用品を受け取ることができる仕組みになっています。 現在は本庁舎の1階、4階のトイレ個室にもカードを置いてあります。市役所以外では、社協にもカードを置いて、生活相談に来た方にも声がけをしてくださっています。学校では、保健室に生理用品が置いてあり、養護教諭から受け取るようになっています。 しかし、カードを示すやり方、学校での保健室対応では、とてもハードルが高いと思います。誰にも気兼ねすることなく利用できるよう、トイレの個室にはカードではなく生理用品そのものをトイレットペーパー同様に常備しておくことはできないでしょうか。この点については、総務部長、教育部長にお伺いいたします。 ○議長(平林明) 久保田総務部長。 ◎総務部長(久保田剛生) それでは、生理用品の公共施設トイレに常備についてお答えします。 議員おっしゃったとおり、今年5月から、コロナ禍の影響を受けた女性に対し、災害用備蓄品を活用し、生理用品の無料配布を市役所本庁舎、健康支援センター、学校を配布場所として事業を行っております。9月からは配布場所を追加し、安曇野市社会福祉協議会、児童館、また、窓口に提示していただくカードの設置場所も市役所本庁舎の1階及び4階の女子トイレにも置き、配布窓口の拡充を図りました。 この配布窓口の拡充を図ったことにより、配布数は増えている現状であります。したがいまして、生理用品のほか公共施設トイレの常備設置につきましては、現時点では予定はしておりません。 以上であります。 ○議長(平林明) 平林教育部長。 ◎教育部長(平林洋一) 生理の貧困が深刻化している現在の社会情勢から、生活困窮世帯の児童生徒への生理用品配布につきましては、引き続き学校から保護者や児童生徒へ周知をしてまいります。 学校では、常に保健室に生理用品を備えておりまして、生理用品が必要な児童生徒へは、引き続き保健室で配布することとしたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 生理用品そのものではなく、このまま引き続きカードを設置ということでした。 それから、防災の備蓄用品が終われば、事業も終了ということになるんでしょうか。ちょっと総務部長にお聞きします。 ○議長(平林明) 久保田総務部長。
    ◎総務部長(久保田剛生) 当初から申し上げておりますとおり、災害備蓄品が終了次第、終了の予定でございます。ただ、今現在、まだ在庫が学校を除いて80セットございます。 以上であります。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) この備蓄用品が終われば、この事業も終了ということですけれども、生理はそれで終わりではありません。新型コロナも変異株、オミクロン株が日本にも入ってきました。今後、感染拡大していく可能性は十分あります。 また、原油価格の高等により、食品など日常生活に関わる様々なものの値上げも懸念されます。6月定例会では、生理用品を軽減税率の対象にしてほしいという議員提出議案が全員賛成で採択されましたが、消費税10%も大きな負担になっています。こういう状況下では、お困りの方への生理用品の無料配布、今後も続けるべきと考えますが、これでは、やはり終わりということになるんでしょうか。 ○議長(平林明) 久保田総務部長。 ◎総務部長(久保田剛生) 繰り返しになりますが、現在の在庫80セットが終了次第、終わりという予定でございます。 以上であります。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) とても残念な事業となりました。 生理用品の無料配布、トイレに常備するという自治体も今、広がっています。岐阜県の土岐市の市内全小・中学校14校では、返却不要の生理用品を常備しました。女子生徒に生理用品無料配布の意義を伝えて、生徒が理解した中でトイレに常備され、必要な生徒に届いているということですが、こうした取組、保健室対応ではなくトイレに常備するということでは、もう一度、教育部長、いかがでしょうか。 ○議長(平林明) 平林教育部長。 ◎教育部長(平林洋一) 学校での生理用品の配備、配布方法につきましては、トイレ内に常備するということも検討いたしました。本年6月市議会で、猪狩議員の一般質問にもお答えしたとおり、成長に差のある様々な子供たちが頻繁に利用する場であり、さらに、衛生面などへの懸念の声もありまして、学校関係者と協議を重ねた結果、これまでどおり保健室で配布することとさせていただいたものでございます。 以上です。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) こういったことを話をすれば理解できる年齢の生徒さんたちです。前向きな回答が得られないのが、ちょっと残念です。 それでは、最後の平和問題についてお伺いいたします。 日本国憲法は国民一人一人が等しく尊重されるとともに、幸福を追求することで学問を学ぶことや仕事を選ぶこと、仕事に就くことが自由にできることなどが保障されています。国家はこうした個人の自由を最大限に実現できるよう存在しますが、その権力が乱用されないようくさびが打ち込まれています。特に、戦争の放棄、戦力の不保持、不戦を定めた憲法9条が持つ力で、戦後から70年以上、戦争をすることなく来たことは、大変大きいと思います。平和であることが人権保障の基本です。 私ども日本共産党は、天皇の制度を含む現憲法の全条項を守ることを、党の綱領で決めています。 さて、今、自民党や公明党では憲法の改正を進めており、さきの総選挙では、改憲発議に必要な3分の2の議席を獲得しています。憲法9条に自衛隊を書き込むことや緊急事態条項を創設することなど、改憲4項目案をベースにして憲法審査会での改憲案づくりを急ごうとしています。 こうした動きがある中ですけれども、市長の今の憲法に対するお気持ちとかお考えを伺いたいと思います。市長、よろしくお願いします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 日本国憲法、言うまでもなく国家の権力を一部制限してでも国民の権利や自由を保障するという立憲主義に基づいたものでございまして、私ども中学のときから、日本国憲法の三大原則であります国民主権、平和主義、基本的人権の尊重というのをずっと教えていただきました。 この第2次世界大戦後の七十数年間、この日本国憲法の下で日本が平和に繁栄してきたということを尊重すべきだという具合に思っておりまして、現在、日本の源であろうという具合に考えております。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) ありがとうございました。 改憲の本丸は、憲法9条の改正にあるわけですけれども、私は過去の戦争を深く反省して、対外的には憲法9条を生かした平和外交、これを進めることが最も大切だというふうに考えています。憲法9条は変えてはならないと思いますが、この憲法9条について市長はどのようにお考えなのかお伺いしたいのと、それから、安曇野市においては、これまでも現憲法を守り、生かした平和行政を続けてきました。昨年は田上長崎市長をお迎えしての講演がコロナ禍のため実現できませんでしたが、引き続き実現できるよう、事業の継続をお願いしたいと思います。 そして、学校での原爆資料展も今始まっています。また、この間ずっと市民団体との共催によって本庁舎で行われる戦争と平和に関する展示、これが大変すばらしいものがあるなと思っております。多くの市民の目に触れる企画となっていまして、これも継続性が求められています。そして、市の事業である「平和と人権のつどい」などは、次世代も巻き込んでの開催で、多くの皆さんに感動を与えています。これらを継続していくべき事業だと思いますけれども、そのことについても、市長のお考えをお伺いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 平和主義を規定しています憲法9条につきまして改正の議論があることは承知しておりまして、既に質問にもございましたように、改憲の発議は国会の両院のそれぞれの3分の2をもってすると。その後の国民投票によって、それを決するという仕組みになっております。 そういう意味では、国民全体がその議論を深めた上で、これに臨むべきだと考えております。私自身は、日本国憲法の三原則である基本的人権、平和主義、国民主権の権利というのは重要であろうと考えております。 それから、行事のことで申し上げますと、広島の平和記念式典には、今後も生徒の派遣を進めてまいりたいと考えておりますし、それから、戦争と平和の資料展につきましては、私、今年のものは拝見しております。今後も続けていっていただけるならば、お願いしたいと存じております。 それから、平和都市宣言についても、まさにそのとおりでございまして、今の文章のままでも十分に平和に対する思いが伝わるものという具合に考えております。 それから、過去も継続してまいりました「平和と人権のつどい」、こういったものは、安曇野の自然を守り、あるいはお互いを思いやる心、差別やいじめ、貧困のない社会を築くための宣言として、その一貫としてのこの「平和と人権のつどい」は進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) お答えいただきました。 では、最後の質問なんですけれども、安曇野市平和都市宣言についてです。 安曇野市の平和都市宣言には、「戦争や核兵器をなくす」の文言が盛り込まれていません。広島に行った中学生の報告書には「戦争や核兵器はいけない」、このようにきちんと書かれています。あってはならないのは戦争や核兵器です。この2つの文言を加えることで、強い決意と覚悟を内外に示すことになります。平和首長会議に参加している安曇野市として、平和都市宣言に「戦争や核兵器をなくす」、この文言を加えるべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。 ○議長(平林明) 太田市長。 ◎市長(太田寛) まず、安曇野市平和都市宣言でございます。 今、戦争についての規定がないとの御質問でございましたけれども、私はこの文言を読んでおりますと、「平和を願う人々と手を取り合って、全ての不安や争いをなくすために私たちは行動します」という文言がありまして、戦争についてはこの文言で明確に否定しているものと私は考えております。 それから、核兵器につきましては、今同じくお話がございました平和首長会議の一員でございまして、この平和首長会議というのは、核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で喚起しようということが目的でございます。そこにも入っていることから、当面、僕はこの文言については、平和首長会議の会員であることと、そして、先ほど申し上げました文言についても、争いをなくすための行動ということを知っておりますので、あえてここで文言を変えることはないというふうに思っております。 ○議長(平林明) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 文言を変える必要はないとおっしゃいました。 全ての不安や争いをなくすためにというふうに、4番目の段落ではそのように書かれています。しかし、これを全ての戦争や核兵器をなくすためにというふうに置き換えることもできるのではないかと私は思います。変えるお考えはないというふうにおっしゃいましたが、あくまでもいけないのは戦争や核兵器です。これをきちっと、やはりこうしたところに位置づけるということがとても大事ではないかなと思っています。 市政を行っていく上でも様々な施策のベースには、平和であるということが大前提です。平和の上に、その地に住む市民の暮らしが平穏で豊かなものでなければならないと思っています。そうした市民の暮らしに寄り添い、豊かな安曇野市を目指し、日本共産党議員団も力を尽くしてまいりたいと思っております。 以上で代表質問を終わりとさせていただきます。 ○議長(平林明) 以上で、市政一般に対する代表質問を終結いたします。--------------------------------------- △散会の宣告 ○議長(平林明) 以上で、本日の議事日程は全て終了いたしました。 ここで、今後の日程を御報告申し上げます。 来週12月6日月曜日から8日水曜日までの3日間は一般質問を行います。午前10時までに御参集ください。 本日はこれをもって散会いたします。 お疲れさまでございました。                              (午後2時41分)...